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英語の授業を英語での授業見学

久しぶりに授業見学をしてきました。

昨年度訪問した学校と同じ学校へ。

そこで感じたことなどをメモしておきたいと思います。


今回の授業はオールイングリッシュではないものの、8~9割は英語で行われていました。

特徴的だったのが、とにかく次々と生徒に問いかけると、クラス全員がそれぞれ英語で答えている様子。

単語のチェックはビンゴ形式で、"What is the adjective of ~?"と問いかけると、しっかり予習してきている生徒たちはほぼ全員答えてビンゴを消していく。


前回の復習では、生徒に一文ずつ音読させながら、その合間合間に英問英答を挟んでいく。

この矢継ぎ早に出される質問に対して、生徒たちが集中して一先に答えようとしていました。


その後英語による次のレッスンのオーラルイントロダクション。


新出語もパソコンによるフラッシュカードで、次々と練習させる。


その後音読を2回、それぞれの方法で行わせ、そこから内容把握のクイズ。

ここで競わせるのは昨年度から何回か研修で見ているタイプです。

グループごとに一名起立して、チーム戦のクイズ。

実際本校で一度行いましたが、盛り上がって取り組んでくれました。



特徴としては事前に質問を予習プリントで調べさせてきている点でしょうか。

その予習プリントの質問とは少しずつ変えながら、クイズ形式で行います。

予習がしたくなるような「しかけ」になっていたと思います。


気が付いた点としては、やはり教員の主観で早い人を選ぶと、どうしても端の生徒が選ばれにくいという点。

視界に入りやすいのでしょうか、客観的にみていると気がつかされる注意点だと思います。


その後、日本語で読み上げた文であったり、英問に対して答えとなる文を探して読み上げさせる練習。

複数回本文を読ませる「しかけ」だったと思います。


その後、ペアワークで予習で考えてきた分のパラフレーズを発表しあい、どちらがよりわかりやすいかを決めさせ、その後全体で発表させる活動。

中1や中2に説明しても分かるようにパラフレーズするようにという指示つきでした。

非常に一生懸命予習してきている様子が印象的でした。

また、非常に上手にパラフレーズができていて、驚かされました。



最後は、その場でリテリング。

キーワードを8~10個書き出し、それだけを見ながら、そのセクションの内容を説明できるようにする活動。

残念ながら時間切れで発表は見れませんでしたが、選んでいるキーワードは的確な生徒が多かったです。

このリテリングも今までの授業研究で見てきたパターンでした。



ELECの研修や都の研修で、英語で行う英語の授業はいくつか見させていただきました。

正直今までの印象は決して「取り入れたい」と思わされないものが多かったです。

その理由が、やはり活動中心すぎて、家庭学習が本人任せの印象を受けてきたからです。

確かに授業内で英語を使う場面が多いものの、それだけで英語力は絶対につかないと思っていました。

特に国公立大学で出される和訳問題に対してどのように対応するのかについての答えが見えませんでした。



トップ進学校の生徒の場合、結局予備校に行って精読を学ぶんだろうなぁ。

高校入試まででかなりのレベルで英文法が理解できているからできる方法とも思いました。


中高一貫校の場合も、親の教育に対する情熱と、本人の知能指数はとても高いのは分かっていました。

それなので同様に、早う段階から鉄緑などに通いながら、学校で発話メインの英語をやるんだろうなぁと思っていました。




今回の先生がその先生方と異なっていたのが、訳読を否定しないどころか、訳読の効能を認めている点でした。

自分がまさに思っていた、「なぜ予備校では依然訳読式の授業が主体なのか?彼らこそ生活がかかっているのに」という疑問を全体に提示していました。

英文法を教え込むこと、訳読も必要だと認め、その上で活動メインの授業を行う。

英語の筆記の勉強は予習において自宅で行わせ、授業内では授業内でしかできない発話メインの活動を行わせる。

その準備の計算されつくした部分と、きちんと英語力をつけさせるための根拠が徹底している点がすばらしかったと思います。

予習量はかなりのものでしたが、あれだけみんなで活動を行うとなると、さぼってきている生徒もほとんどいませんでした。

「授業評価アンケートはあまりよくないことかもしれませんがパーフェクトを達成しています。おそらく彼らも数字で結果が出ていることが一番の理由かと思います。あとはうまく初めにハートをつかんだことも大切だったかも。この仕事、初めにハートをつかむことって大切ですよね。」

その通りだと思います。



現段階ではあれだけ結果がきちんと出ているのも納得できます。

生徒が本当に生き生きと楽しそうに英語の授業に参加している姿は自分にとっては衝撃的でした。

まだまだ受験は先の学年でしたが、彼らの学年は間違いなくとてつもない実績が出る予感がしています。



自分の授業はというと、最近はいよいよ受験が近づいてきたということで、生徒の意識がかなり高まっています。

この段階まで来ると、実はどんな授業をしても生徒は集中して取り組みます。

説明中心の単調な授業であっても、生徒の危機感と意識の高さから、ピンと集中された授業が行われるのです。



やはり問題は1年生の途中から2年のこの時期くらいまでの取り組ませ方。

そんな意味では今回はとても参考になる授業でした。

自分も、教科書を使ったリーディングの授業では、時間的に余裕があるので、少し今回の授業を真似してみたいと思います。



英文法を学ばせた後、それを使わせることが大切。

英文法と会話どちらかに偏るのではなく、そのバランスが一番のポイント。



やり方なんてどうでもいい。生徒が集中していて、やる気を出していて、力がついていっていれば。


とても有意義な時間が過ごせた授業でした。

これからもがんばらないとです!!
by shun-sensei | 2012-10-22 09:23 | 英語教育