2015年 10月 02日
東京都英語指導研究会に参加して第一部がベネッセからの最新情報の整理。
第二部が東京都立小金井北高等学校の実践発表。
第三部が本日のまとめとして、いつものベネッセの宣伝。
この三構成でした。
第二部に関してはまた別の記事で紹介しますが、まぁ懐かしい都立高校の現状を聞かされる一時間となり、色々思うことがありました。
本日は第一部の内容を紹介したいと思います。
以下の2つがテーマ。
・英語指導をとりまく環境変化の整理
・新課程入試における首都圏国公立・私立大を中心とした大学合格に必要とされる力
まず初めに現場の声として、入試改革に対する不安や4技能指導と現行入試のギャップ、そして4技能の中でもライティングとスピーキングの指導、評価に対する不安を紹介。
その上でまずは環境変化の整理をしました。
初めに文科省が発表した初等教育から大学入学までの一貫した接続イメージの図を紹介。
その中盤にある大学入学者選抜の中にある2種類のテストをまず紹介されました。
どちらも仮称ですが、高等学校基礎学力テストと大学入学希望者学力評価テスト。
前者の高等学校基礎学力テストは2019年度から実施予定なので、現在の中1が高2の時に開始予定。
こちらのポイントとしては、3教科を上限として、知能技能を中心としつつ、思考力、判断力、表現力を問う出題となること。
またCBTというコンピューターを使用した試験を想定しているため、スマホでなくキーボード操作も必要になること。
高2~3の間に合計4回受験可能なこと。
平均的な学力層や、学力面で課題のある層を主な対象としていること。
高校の指導改善やAO入試などで参考資料としても活用可能だが、平成31~34年度は実施施行期間とし、入試選抜には用いないこと。
などが紹介されました。
続けてセンター試験の代わりとなる大学入学希望者学力評価テストは2020年度から開始予定。
試験の科目数は現在のセンター試験よりも簡素化し、やはり思考力、判断力、表現力を問うこと。
そして英語では4技能評価を重視すること。(民間と連携)
また選抜性の高い大学が入学者選抜の一部として十分活用できる高難度の出題を含むこと。
そして短文記述やより深い思考力等を問う選択式問題を導入することを検討していること。
などが紹介されました。
また各大学が3つのポリシー(ディプロマ、カリキュラム、アドミッション)を示す必要が求められていることも紹介されました。
そして各大学の判断で段階的に導入をし、個別試験も徐々に変わっていく。
文科省の大学入学者選抜実施要項に、4技能を計ることができる資格検定試験の結果を活用するという文言が追記されたことが紹介されました。
その上で先日紹介した、SGU(スーパーグローバル大学)に指定された大学の学部入試における外部試験の活用割合が紹介されました。
具体的な活用例として3大学を紹介。
海洋大の例(出願要件として活用している)(英検準2級やセンターより7割でオッケーという経過措置)
千葉大学の活用例(国際教養学部)新設学部
通常型入試に(80/90)がこの入試方式
外部試験で○点取ると×点と換算して選抜する
立教大学のグローバル方式
全学部で合計100名程度、GTEC—CBTで1000点
(スライド10を見ると今年度は10%の活用だが、これを3年後には50%まで引き上げるとある)
→今後のこの形式で広がる予定
その後、大学の現場でどのような声が聞こえてくるかを紹介。
英語ができないと困るという先輩からの声の特集
首都大の特定の学部だが授業を英語科日本語化どちらで受講するかを選べるようになった。
東海大内のドトールはメニューも注文も全て英語で行わなければいけない 。
大学現場もどんどん英語を使用する環境へと変化させているが分かりました。
実際の個別入試で見られた傾向
この後は具体的な大学の入試問題を紹介。
筑波のⅡ→タイトルを選ぶ問題(細かい精読ではなく、全体の概要)
名古屋Ⅲ→会話文の問題→問5問大分自体が英語の英作文の問題。さらに賛否を明らかにして自分の意見を書く(理由を2つ以上あげて)。
さらに有名大学を中心に出題傾向を紹介した上でまとめとなりました。
これまで
指導≠入試で
リーディングばかり、だから指導もリーディング中心、外部試験の入試活用は優遇措置がほとんど
だったが
これからは
指導=入試となってきている
入試でも4技能が求められる
そして外部試験も出願要件であったり一般入試への影響が増大
として、今後は4技能をより高めていくためにはどのような指導を行えばいいのか
を考えたいと締めくくられました。
新しい情報はありませんでしたが、最新の情報を上手に分かりやすくコンパクトにまとめられていたと思います。
本当いよいよ4技能を中心とした指導に変わるんだなとワクワクさせられる時間となりました。
だからこそ第二部の実践発表に唖然としてしまったのですが、それはまた後日書きます。