2016年 02月 27日
英語で行う英語の授業~高校編1~今まで様々な授業を拝見し、先輩方の指導案にも目を通した上で完成したプランニングを今日は発表したいと思います。
実際に運用を開始するとあれこれ課題が見えてくることだと思います。
そこは臨機応変に変更をし、現実的に生徒の英語力を引き上げるための授業を行いたいと思います。
まずコミュニケーション英語に関しての大きな改革からです。
この教科書は前課程の英語Ⅰや英語Ⅱ、あるいはもっと昔のリーダーと呼ばれる教科書の後を継いでいるからか、ほぼその頃と同じ構成になっています。
何かお話が10個ほど載せられており、各レッスンに重要な文法事項(構文)が3つほど代表として取り上げられています。
例えばどの文法書にもある、助動詞の完了形、がテーマのこともあれば、文法ではあまりピックアップしない、SVOのOがwh節の場合、などがテーマのこともあります。
また、各レッスン新出単語は端っこに特集されており、その進出単語を中心に語彙の学習を行います。(もっともそれとは別に単語集の小テストをガンガンやるのが現在の主流でしょうが)
多くの学校では以下のような予習を生徒に課します。
各パートの本文をノートの左側のページに写してくる。その際本文の重要なポイントが書き込めるように一行おきに移してくること。
ノートの下の段、あるいは真ん中や一番右の段に単語調べセクションを作る。
新出単語単語や知らなかった単語は写して辞書で意味を調べてくること。
辞書に載っている一個目の意味だけ写してくるんじゃないわよ、きちんと辞書を読みこんで本文の意味として適当なものを写して来なさい。
例文や発音記号も写してくるともっと点数が上がるわよ。
そしてノートの右側のページには本文の全文訳を書いてきなさい。
授業中は大切なポイントを説明するから、きちんと聞いて、どんどんノートに書き加えていくこと。
そして先生が言う訳を聞きながら自分の書いた訳を添削するように授業を受けるのよ。
中間試験の時にノート提出をしてもらいます。ノート点も成績に入るからきちんと予習、授業、復習のサイクルを確立しなさい。
これが一般的な高校で新学期に行われる指示でしょう。
途中言葉がおネエっぽくなったのは、このような指示をしていた先生が頭に浮かんだからです。
全文訳はさせない、くらいの譲歩を示す先生もいますが、いまだに上記に近い無茶な予習を生徒に課す先生が圧倒的多数です。
本校で実施する予定の授業。
授業の予習、一切なしです。
1時間目
そのレッスン全体の導入として、オーラルインタラクション。
写真などを見せたり、生徒の身近な話に置き換えて、生徒が教科書本文に興味関心を持つような全体の導入を行います。
適切な動画等があればこの時間に見せて関心をひきつけます。
本文を読みたいな、どんなことが起きるんだろう、なんでだろうと彼らの気持ちをひきつけるのがここでの一番の狙いです。
その後教科書の内容などにもよりますが、ほとんどのレッスンで初めに教科書ワンレッスンを一気に読んで簡単な設問に答えます。
この設問は本当に本文の概要を理解しているか、程度の理解を試す設問です。
一部のパラグラフのタイトル付け、であったり、一部のパラグラフの並び替え、内容一致問題など、大学入試で彼らが試されるような大まかに読んで設問に答えるようなイメージで一時間目は終了します。
この時間では、未知語があっても前後の文脈から類推する、制限時間内でさっと設問に答えながら本文の概略を理解するトレーニングが一番の狙いです。
2時間目
概要の復習をインタラクションで行ったうえで、パート1の内容理解へと移ります。
パート1のみに絞ってこちらからいくつか発問を与えた上で、もう一度本文の読み直しを行います。
今度はパート1に絞って、かなり細かいところまで内容を理解しているかを英問英答のやり取りを通して確認していきます。
初めは事実発問を中心に、教科書に書いてある事実の確認を、発問の際に複数の言い方でパラフレーズしたり、あるいは絵や写真を用いたり、ジェスチャーなどなるべく英語のまま理解することを目指させます。
ここで、あ○○か!!と日本語で言う子には口酸っぱく日本語には置き換えずイメージをそのまま受け取る習慣をつけるように指示します。
このようにして、まず教科書本文に書いてある内容が理解できたら、新出単語の発音確認と本文の音読へと移ります。
内容理解した後に、いよいよその内容を表す表現たちをinput→intakeにまで高められるように音読をします。
音読はさらに高められるように、空所を空けた音読シートを配布します(日本語はなし)。
一つは内容面で重要な語彙を抜いたバージョン、もう一つは文法的に正しく読めることを狙ったシートです。
その後最後の数分間で1問でもいいので何か推論発問を出題します。
読む前に与えた方が適当な場合は読む前に与えることもあります。
生徒が思考をし、自分だけの意見として何か伝えたくなるような推論発問を生み出せるかがかなりの大きな勝負所になります。
その推論発問に対するそれぞれの意見をペアや全体で共有してその授業は終わりになります。
宿題
1.教科書付属CDを使い繰り返し音読を行い、教科書本文の内容を自分の言葉で伝えられるようになるまで練習をしてくること。(リテリングの練習)
(キーワードを与えたり、絵を与えたり、こちらが始めのうちはアシストを多く行います)
2.スペルが確実でない単語は繰り返し書いて、書けるようになるまで練習してくること。
3時間目
授業の初めに、前時の宿題の実施状況を確認する小テスト。
(隣同士採点、用紙の配布は休み時間中に行い、5分以内で終了)
その後リテリングをペアで行い、それをボイスレコーダーに録音させます。
ペアの生徒は相手の実施状況に応じて教科書を見ながら手助けを行います。
その後ペアで相互にアドバイスを与えあいます。
そして、各時間2名ほどランダムに当てて、全体に対してリテリングを発表します。
こちらはきちんと評価を行い、成績に含めます。
小テストと合わせて、ここまで15~20分が目安です。
その後パート2に関して、前の時間と同じように詳細に読み、英語で内容理解、音読、推論発問と移ります。
その日の宿題から付け加わること
その日授業内で行った自分のリテリングの書き起こしと改善策をノートに書いてくる。
また、日によっては推論発問に対する自分の意見をライティングさせることもあります。
このように、2~5時間目は同じ流れで行い、最後に6,7時間目で全体のアウトプット活動を行います。
教科書レッスンに合わせて、ロールプレイなのかディスカッションなのかスピーチなのかプレゼンなのか。
この6~7時間目の活動できちんと教科書に出てきた表現が使わせられているかがポイントです。
input, intakeされた英語をきちんとoutputさせることで、彼らが使える表現を増やすことが大切だと思います。
いわゆるワークブックは採用していません。
文法や構文はコミュニケーション英語では一切触れません。あくまで英文の内容面に焦点を当てたいからです。
和訳は各パート読み終了時に配布します。