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1つの単元の授業のデザイン方法2 単元の目標から逆算して授業を組み立てよう

先日紹介した授業のデザイン方法の続編です。

前回は教科書の単元の最終目標としてアウトプット活動を考えること、そしてそのために徹底的に教科書を読み込む方法を紹介しました。

そこまで決定したら、後はそのゴールに向けてどのように授業を組み立てるかの計画になります。

その時ついつい何時間その単元にかけるか、が先に来てしまう先生が多いように思われますが、それは先に行うことでしょうか?

最終ゴールに向けて何時間の授業が必要かはその単元により異なると思います。

教科書会社が決めたパートごとにと無意識に思い込んでいないでしょうか?

自分自身の授業に合わせて教科書のパートをむしして区切っても良いと思いますし、また非常に多くの時間をかける単元があっても良いと思います。

単元の中にはサラッと大まかな内容をつかむだけの練習に使う単元があっても良いと思いますし、そういう単元とじっくり10時間以上かけて生徒に取り組ませる単元を組み合わせれば定期考査までの範囲としても困らないと思います。

目標は教科書を消化することではありません。

その教科書を使用して生徒にどのような力をつけるかです。

そのような視点で改めて単元全体を眺めてみると良いと思います。



さて、各時間の行うことが決まったら、あとはその時間の目標を実践するための活動を考えることです。

まず初めに挨拶をする先生方からはほとんどだと思いますが、世界的に見るとどうなんでしょう?

自分はそれなので全員で起立してHello everyoneとはやりません。

自然に時間になったら始めます。

その後に初めに帯活動を設定する先生も多いと思います。

帯活動はウォームアップの効果を期待して行います。

英語の雰囲気というか英語を使うことに対する違和感をなくすような感じですかね。

なるべくシンプルで、テンションが上がるようなものであれば何でも良いと思います。

小テストもある意味一種の帯活動でしょうかね。

英語の歌を歌ったり、クイズをしたり、ショートチャットを行ったりする先生が多いでしょうか。

語彙を使用したビンゴなどの活動を行う先生もいますが、自分はあまり語彙を取り出した指導を好かないこともあり行ったことがありません。

さて、授業はイントロ、理解、アウトプットと進むことが多いと思います。

イントロで生徒が本文内容を知りたくなる工夫と必要な語彙を自然と紹介するようにすると良いと思います。

未知語を全て紹介するのではなく、あくまで前後から推測不可能なもので本文理解に必須なものをここでは取り上げると良いでしょう。

また自然にということも大切で、単語だけここで取り出して解説してしまっては台無しです。

本文内容の紹介の中で自然と使いながら、前後から、あるいはビジュアルで理解させます。

また本文内容の紹介ですが、実際に書かれたことは最小限に押さえたいと個人的には思います。

この後のリーディングやリスニングで実際に自分で理解することで読む力や聞く力を鍛えます。

そのためにも、事前に本文をほとんど紹介するようなオーラルイントロダクションは避けたほうが良いでしょう。

また、なんでも必ず最初に聞かせたがる先生も多いと思いますが、書き言葉は読む形式で行うべきだと思います。

その英文が実際にどのような物を想定しているかに合わせた活動を選ぶべきだと思います。

あの何でも初めに聞かせる授業スタイルはどのような目標を設定しているのでしょうかね。



そうすると一部の対話文やインタビュー記事以外のほとんどの英文は読む活動で生徒は取り組むことになります。

その際、リーディングポイントを示してあげると、生徒の本文理解の助けになったり、また入試で読んで答える力を身につけさせることができます。

実際の場面でも人が文章を読む時は何か読み取りたいポイントがあると思うので、そのような意味でも設定することは不自然ではないでしょう。

ただ、時にはリーディングポイントを示さずに読ませて、要約せよという課題もあって良いと思います。



リーディングポイントを示してよませたあとには内容理解へと移ります。

ここでも内容理解前に必ず聞かせたがる先生が多いように思います。

確かに読んで分からなかった英文が聞くことで切れ目などが明確になり理解できることもあるのでしょう。

ただ自分はその時間があれば音読に回したいと思ってしまうため、いつもすぐに内容理解に入ってしまいます。




さて内容理解の方法ですがこれまた別の記事でまた書きたいと思います。



内容理解が終わったらいよいよ音読です。

語彙の発音、英文の音読をできる限りたくさん行います。

教師にリピートして、音声にかぶせるようにして、自分のペースで、リードアンドルックアップなどせいとがきょうかしょほんぶんをインテイクできるように音読を徹底的に行います。

この音読を一種のアウトプットととらえるかどうかは色々な意見があるようですね。

音読後に何かアウトプットをさらにできると最高なのですが、なかなか時間的にきついのではないでしょうか。

次回の授業までに本文のリテリングなどを課すことも良いと思いますし、中学生であればもう1時間を完全にアウトプットに充てるのも良いと思います。

このようにして1時間の授業をデザインしています。


肝心の本文の内容理解ですが、また次回以降に書きたいと思います。

英語で行う英語の授業の肝でもある内容理解です。


それではまた。
by shun-sensei | 2016-10-22 10:35 | 英語教育