音読指導の狙いと方法

英語の授業で音読を行わない先生は少数でしょう。

しかしその音読の目的まで詳細に考えて行っている先生はもしかしたらあまり多くないかもしれません。

本日は様々な音読方法とその狙いなどについて紹介したいと思います。


まず音読とはどのような作業なのでしょか?

私は音読には二つのことを目的に行う活動だと思っております。

一つ目が文字と音を一致させること。

文字で書かれた英語は生徒の脳の中ではまだまだ正しい音に変換されません。

語彙レベルの単語から始まり、抑揚や切る場所、イントネーションなども含めて英語らしく音が出せるようになることがまず音読の一歩目だと思います。

この経験を積み重ねていくことで、生徒は初見の英文であっても自然と正しい発音で英語らしい抑揚をつけて、意味のまとまりごとに読めるようになっていきます。

これは経験値のような要素が強いのだと思います。


二つ目の目的はその表現をインテイクすること。

教科書には見本となるような表現や言い回しがたくさん入っています。

それを繰り返し音読することで、生徒の中にその様々な表現がインテイクされ、アウトプットを繰り返すことで完全に生徒が使える表現になります。

アウトプットで使えるかどうかがこの音読の量にかかっているのだと思います。



主な音読の狙いを踏まえると、どのタイミングでどのような音読を行うべきかが決まると思います。

例えば英文を読む前にいきなり音読を行う先生はあまり多くはありませんが、存在はします。

授業後の検討会などでその活動の意義を聞くと、ほとんどの先生は「なんとなく」とおっしゃるか、「音が分からければ読めないから」とおっしゃいます。

後者にはまだ意図がある分良いのですが、後者のようなケースは教科書と生徒のレベルが乖離しすぎているケースが多いです。

英文を読んだ後にいきなり音読をしてから解説を行う方もいらっしゃいますが、そのケースも特に意図はないようです。

基本的な音読の意義を理解していれば、音読は本文の内容理解後、アウトプット活動前ということは納得いただけると思います。



続けて音読の方法ですが、私は以下の手順で行います。

1.コーラスリーディング(CDに続けて)
2.コーラスリーディング(教師に続けて、個別で指名しながら確認)
3.パラレルリーディング(CDに合わせて)
4.バズリーディング
5.虫食い音読(ペアで)

1.コーラスリーディング(CDに続けて)でまずは見本となる音声を真似する練習を行います。

ここでももっと丁寧に行う必要性を一度目にしたことがありますが、これもまた適切な教科書レベルであれば不要だと思います。

生徒に高すぎるレベルの教科書を使わせて、細かく丁寧にコーラスからやっても、肝心の教科書の本文が生かされないと個人的には思います。


2.コーラスリーディング(教師に続けて)では、うまく言えていない生徒や間違えて発音している生徒を探すことが狙いです。

また、リズムが良く進むため、1よりも短時間で何回も言わせることができるメリットもあります。

1.のCDを使った方法は不要ではとの意見もいただいたこともあったのですが、やはりよりネイティブの発音を使用したいことと、3.のパラレルで出されるイントネーションと我々教師のイントネーションでは異なることもあり、やはり、1.の過程は残すようにしています。


3.パラレルリーディング(CDに合わせて)を通じて、より正確なイントネーションなどを確認させます。

正しく読めれば、構造等を意識しなくてもかなり本文が理解されるようになるため、個々の過程もとても大切かと思います。


4.バズリーディングでは、正しくつかめた音を定着させる目的で自分のペースで繰り返し読ませます。

音読の意義を理解できていない生徒はこの活動の様子を見ていると分かりますので、必要に応じて改めて意義を伝えたりします。


5.虫食い音読では、2種類の虫食いを用意します。

一つが文法面にフォーカスして空けた本文です。

適宜進行形や完了形に直さなければいけなかったり、動名詞か不定詞かなども含めて直させます。

もう一種類は内容面にフォーカスしてその言葉通り虫食いにした本文です。

様々な新出単語や重要な表現を意識して虫食いにします。



以上5つのステップの音読を行うとなると、15分くらいは授業時間を占めることになりますが、それだけ価値があることなので行っています。


以前も研究会等の報告で書きましたが、音読方法にも首をかしげたくなる方法が存在します。

一時的なゲーム性を持たせたり、声を出させるために行う必要性は分かりますが、それを続けてしまっては生徒は意味のない音読を行うことになります。


具体的にはいかに早く読ませるかという音読を様々な工夫を行ってされているケースですね。

本文が流れ落ちていくからそれに負けないように読むナレーター読みなどもこれに含まれます。

肝心の本文の意味内容への意識が阻害され、ただ音を出すことに集中が移ってしまうと思います。




さて、紹介したもの以外でもリード&ルックアップなどはとても効果的な音読方法です。

私は現在のルーティンには入れていませんが、時間がもっとあれば行いたい音読です。



声を出させる、音読に積極的に取り組ませる、という第一歩としてはゲーム性の高い音読も有効です。

しかし生徒自身が音読の意義をきちんと理解し、積極的に自分から音読を行わなければ、その活動の意義は弱まってしまいます。

高校生にもなれば生徒は論理的に考え、音読の必要性を理解できます。

是非、正しい身につく音読を行って英語力を高めていきましょう。

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by shun-sensei | 2017-07-08 14:14 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)