カテゴリ:TEAP, GTECなど4技能外部試験( 19 )

大学入試センター試験に変わる新テストと呼ばれるものの方針が一部確定しました。

英語に関しては平成31年度から35年度まではセンター試験で読む力と聞く力を継続して点数化します。

書く力と話す力に関しては現時点では大学入試センター試験にはシステムを整えられないため、民間の外部4技能試験を活用していくそうです。

高3になってから最大2回受験が可能で、現段階では6種類ほどある4技能試験が全て使えるようになりそうな方向です。

さて、この民間の外部4技能試験になんと英検が含まれそうな方向性です。

私がこのお話を聞いた会場では、個人の英語塾や英会話教室を経営されているという方々から、高3以前の試験が適用されないのは困るとの質問が寄せられていました。



私は個人的には英検は4技能試験とは呼べないと思います。

今まで英検2級を取得している生徒の話す力を考えれば当たり前です。

昨年度から2級にもライティングが導入されましたが、生徒の点数と書く力のレベルの低さはかなり大きな差があります。

そもそも一問だけライティングを書かせたくらいで書く力を試していると言えるのでしょうか。

どうしても英検を含めるというのならば、英検自体が試験法方法を大きく変え、きちんと4技能を計るテストに生まれ変わらなければいけません。

そもそも英検では難しいから英検と同じ団体がTEAPを作成したのではないでしょうか。

今までずっと存在した英検、今の日本の英語力の状況を考えたら、英検と言う試験自体大きな改革を必要とすることは明らかでしょう。



現在高校二年生を指導していて、いよいよGTEC CBTやTEAPの指導を行ってより話す力や書く力の指導を高めようと思ったところ大きな足かせが英検となっております。

本校の高校2年生が外部4技能試験を活用するのは、現実的にほとんど生徒が早稲田の文学部や早稲田の文化構想学部を受験するためです。

この早稲田の文学部、文化構想学部は英検準1級を取得すれば、4技能試験入試での挑戦ができます。

生徒たちは英検に慣れています。

本校においても、中学課程時から英検を受験させていたため、生徒全員が何かしらの英検を取得しています。

高2夏の時点で、高校2年生の8割が英検2級を取得しています。

実際の生徒の力と英検2級におけるCANDOリストには大きな隔たりがありますが・・・。




そんな生徒が早稲田大学を受験するのに目指すのが英検準1級です。

GTEC やTEAPの受験料と英検準1級の受験料には大きな差があります。

慣れた英検とこれからわざわざ対策をしなければならないGTECやTEAPでは英検を選びます。

結果的に、英検が使用可能という状態が、GTECやTEAPの普及の大きな足かせになっています。



それでも英検で十分に4技能を計れるのならば、もちろん構いません。

英検に向けて学習を行うことが、十分な4技能の強化につながるのならばもちろんそれを生徒に勧めます。

しかしながら、英検の準1級のために生徒が学習をすることは、ひたすら語彙です。

語彙と読む力の勉強ばかりです。

4技能指導を行っている本校の生徒にとって、英検準1級のライティングも2次試験も簡単すぎます。

大体英検の2次試験がきちんと話す力を試す試験になっているとどれだけの教員が納得するでしょうか。



英検はコツさえつかみ、対策をきちんと行えば、かなり力とかけ離れていても合格ができます。

それだから多くの英語塾や英会話教室では英検を低年齢で取得させることができるのでしょう。

英検であれば、ビジネス用語が多数出てくるTOEICの方がまだ4技能をきちんと測定できますし、生徒の学習効果もきちんと出ます。



当日の会場では私立高校の先生から、シラバスを作るのに早くどの試験を使うのか決めていただかないと困る。

これから6種類のテストの対策を行わなければならず、現場は大変だ、という声が上がっておりました。

私はこの意見は理解できませんでした。

4技能をきちんとバランス良く育てる指導を行えば、GTECだろうとTEAPだろうとTOEFLだろうとIELTSだろうと、どれでも生徒は出題方式などに慣れるだけの問題です。

きちんと書く力、話す力をつけていくだけです。

しかし、ここに英検が入ると、全く異なります。

英検であれば、全く異なった、語彙力にかなり重点を置いた指導が行われます。




大学入試を変えることによって、日本の英語教育を変えるという素晴らしい方針が実現しそうです。

しかし、直前になり、どんどん様々な人々の思惑や意見で、せっかくの改革が台無しになりかねない状況です。

英検が変わるか、英検を今回のグループから抜くか。

現場の高校の先生たちはそれは英検が一番対策しやすいでしょう。

実質書く力や話す力はそこまで求められませんし、従来の訳読式でもかなり対応可能でしょう。

それ以外の4技能試験となると、授業をかなり変えなければいけなくなってしまいます。




原点に立ち返ってみましょう。

高校の授業を変えるために大学入試を変えようとしたのではないでしょうか。

英検では、今までとほとんど状況は変わりません。

そんな当たり前のことに気がついてください!!

GTEC,TEAP,IELTS,TOEFL,TOEICの5種類にしなければ、何も変わりません!!

間に合うか分かりませんが、できる限りこの声を伝えていきたいと思います。

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by shun-sensei | 2017-08-05 17:00 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

さて前回に引き続きTEAP連絡協議会のレポートを行いたいと思います。

今回はいよいよ興味関心が高そうな早稲田大学の報告です。

なお、担当された安藤先生は英語教育の4技能をバランス良くすることに対してとても強い気持ちをお持ちの方で、発表においても様々な言っていいのかどうか分からないこともお教えいただけました。

しかしながら口頭で行われた部分も多く、私自身の聞き間違い等もあると思います。

公式のリポートの内容が真実であり、私の報告と合わない部分があった場合はすべて私の間違いということでご了承ください。


昨年度初めての英語4技能テスト利用型入試を実施したのは早稲田大学の文化構想学部と文学部です。

尾関先生の分類で言うところの別枠併願可能方式です。

一般入試の枠の一部をこの英語4技能テスト利用型入試枠に別途振り分けています。

文化構想学部ですと70名の4技能テスト利用型入試に対して430名の一般入試の枠がありますので、結構大きな割合をあててくださっています

一般入試との併願が可能という点も受験生からは大きなメリットであり、それだけ可能性が増えることになります(受験料は増えますが)。

選抜方法は英語4技能テストの基準点を上回っている生徒に対しては、一般入試の国語・地歴2教科の合計点により判定されます。

ただし、国語・地歴においてはそれぞれ基準点があり、それをクリアしていないといくら合計点が高くても合格にはなりません。

ここで安藤先生は基準点は公表できないのだが、皆様が納得できる範囲の点数ですとおっしゃっていました。


つまりよほど大きく低くない限り(合格者の平均点の半分とかでしょうか、私が納得する点数だと)、大丈夫ということになります

たった2教科なので、そんなに片方が低くて合計点で逆転なんていうケースはあるのか疑問ですが、多少苦手くらいならチャレンジする価値はありそうですね。

さて、
英語4技能テストの基準点は上智大学の文学部英文学科をそのまま同じに設定されたそうです。

もう少し低くした方が受験生は集まるのでしょうが、そこは大学の他の先生方もGOを出されたそうです。

TEAPだと280点、IELTSではレベル6、英検は準一級以上、英検のCSEで2200点以上、TOEFL ibtで60点以上です。

それぞれ各技能の最低ラインが設定されているのでバランス良く4技能を伸ばす必要があります


なお、上智大学の文学部英文学科が次年度からラインを引き上げたのだそうですが、早稲田は現段階では変更の予定はないそうです



さて、実施した結果ですが、予想を大きく上回る受験生が集まったそうです。

倍率に関しては一般入試の23.7倍に対して4技能英語テスト利用型は7.8だったようですが、これで4技能英語テスト利用型が入りやすいとは言えないと思います。

単純に受験できる生徒が上位の生徒に絞られているだけで、いわゆる記念受験のような層が受験資格さえ得られていないだけと考えた方が良いでしょう。

実際4技能英語テスト利用型で受験した生徒の8割が一般入試も併願し、一般入試の英語の試験でも勝負されたようですが、かなり多くの生徒が一般入試でも合格を得ているようです。

例えば英語4技能テスト利用型入試の受験者528名に対して合格者は293名と実質倍率は1.8倍で、また併願者の423名中一般入試合格者は83名いたそうです。

一般入試の実質倍率11.1倍に対して、4技能英語テスト利用型入試の併願者の一般入試における実質倍率は4.95倍でした。

実際地歴や国語の答案を見ると、4技能英語テスト利用型で受験した生徒ははっきりと優秀さが見られたそうです。

まだ実際に指導が始まって2週間なので今後の追跡を待たなければいけないところですが、英語の授業での様子もやはり優秀な生徒が多いようです。

原因は英語以外の科目にも時間をかけられたこと、普段から思考して表現するような指導を受けているからなど
の予想が行われていましたが、これに関しては今後の次第に明らかになっていくでしょう


なお利用した4技能英語テストですが、英検が一番多く6割前後、次いでTEAPで4割前後とほとんどが英検かTEAPだったようです。

利用したテストによる合格者数の割合ですが、大きな差は現段階では見られなかったようです。




さてパネルディスカッションでの報告で、10くらいの高校でかなり戦略的に4技能英語テストに焦点を当て、対策を行い例年に比べ大量の合格者を出しているようです。

また、オープンキャンパスでやはり相談された生徒達で、学校では英語で英語の授業が行われていると言っていた学校も2名が受験して2名合格ととても先生が嬉しい結果になったそうです。




最後にパネルディスカッションで安藤先生に対してなぜGTECが使用できないのかという質問が会場から出されました。

まさに昨年度私が問題にしていた質問そのものでしたが、個別で聞きに来て下さい、言えない色々な事情があるのです、とのことでした。

質問された先生からは現場として生徒に選択することを可能にして欲しいし準備する負担を考えて欲しいという最もな要望が伝えられていました。

やはり様々な裏の事情があるのでしょうね、仕方のないことなのでしょうが。

なお、今後は変わる可能性も十分にあるということでした。

是非4技能をバランス良く育てるという当たり前の英語教育を実現するために、お互いが成長し合って切磋琢磨するような大学としての使命感を果たして欲しいと心から願っております。
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by shun-sensei | 2017-04-29 10:32 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

昨年度に続きTEAP連絡協議会に参加をしてきました。

今年度はお茶の水の明治大学での開催でした。

今までも紹介している情報は新たにメニューにTEAP,GTEC CBTなど4技能外部試験というカテゴリを新たに作りましたので、そちらも参考になさってください。

まずは上智大学から。

昨年度からTEAP利用入試はすべて4技能型にして、その他の教科においても記述式で答えさせるなど新入試、学習指導要領に近づいた入試となっております。

予想よりも昨年度は受験生が集まり、大学側としてはホッとされたそうです。

今年度も様々なデータが紹介され、R+LとW+Sの相関は高くないため改めて4技能外部試験の必要性を確認することができました。

また、TEAPのスコアと合否にも相関はなく、あくまで基準をクリアしていればいいようです。

さらに意外だったのがWとSのスコアにも相関はなく、同じアウトプットする力でも受験生によって能力の偏りが見られるそう。

特にスピーキングは即興性が求められ、また日本の学校教育ではほとんど鍛えられていないことが原因でしょうか。

なお、国語+選択科目と合否に対しては当然相関関係がありました。

入学後の4技能型で入学した学生の英語力は引き続き高いレベルを維持されているそうです。

上智大学の姿勢理念は素晴らしいもので、是非素晴らしい人材を次々と輩出し多くの大学が後を追えるようにしていただきたいなと思いました。



続けて関東の我々としてはなじみの薄い関西大学からの報告がありました。

関西大学からの報告で印象的だったのが、点数の設定方法です。

点数を設定するにあたり、現在の学生の能力を確認したところ、Rに関しては平均がCEFRB1に達していなく、意欲的な生徒でギリギリB1レベル。

スピーキングに至ってはA2にも達していなかったそうで、そのうえで文学部はB1に設定されたそう。

文学部は基準のスコアを設け、他の2教科での選抜スタイルを、外国語学部は基準をB2に引き上げその分みなし満点という大変有利な方式で選抜されるそうです。

今後学部を拡充し、活用の幅を広げていかれるとのことでした。



会場を提供してくださった明治大学では昨年度経営学部が、今年度からは商学部と国際日本学部が導入を決定しました。

来年度全学部統一入試で、再来年度からは他学部でも使用されると良いなという尾関先生からの希望的観測も紹介され、現在の4技能外部テストの私立大学における使用状況の分析が紹介されました。

同枠と別枠で扱っている大学で分類され、別枠に関しては通常方式との併願の可否が、同枠についてはその点数をみなし満点とするかみなし割合とするかで分類されていました。

それぞれのデメリットも紹介され、どの方式を採用するか大学側にとってはとても参考になる発表でした。

明治は学部ごとに使用方法が異なるため、受験生はきちんと調べて大学側が発表する要綱を読み込んだうえで受験をする必要があります。



また今回は都立の新宿高校の副校長先生より、高校現場での使用の例が紹介されました。

自分は新宿高校に知り合いが複数名いるのですが、その人たちから聞いている話と若干ですが印象の違いがありました。

都立高校全体としての取り組み(補助)について初めて知ることもできました。

また高校現場からの生の声として、受験料の高さや生徒側の心理をご紹介いただけ、その通りだなと改めて確認できました。



早稲田大学とパネルディスカッションに関連しては長くなりそうなため、また次回紹介したいと思います。

全体を通じて4技能外部テストを導入するメリットと課題が再確認できる貴重な機会となりました。

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by shun-sensei | 2017-04-22 11:59 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

前回に引き続きTEAPを実施している英検協会主催の『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』に参加したリポートをしたいと思います。

第一部はTEAPの概要説明とTEAP指導用手引きの解説
第二部は指導用手引きを使ったスキルアップ講座

という二部構成でした。

本日はこの会のメインであるTEAP指導用手引きの解説とそのスキルアップ講座の内容の続きを、TEAPを受験しようと考えている学生にとっても試験対策として必要な情報を混ぜながら、リポートしたいと思います。

さて、前回TASK Aに関連した様々な情報をお伝えしました。

その内容はTASK Bにももちろん引き継がれます。

TASK Bだけが苦手でと読んでくださっている人も必ず前半部分もお読みください。
それだけでかなりの減点が防げ点数は大幅にアップします。


さて、TASK Bは、図やグラフが2つと、それに関連したリポートや意見が2つ載っています。

受験生に求められるのは指示文に書かれた指示をきちんと読み、その指示に合わせて与えられた資料と英文を読み書くことです。

例えば公式見本問題では、ここ数年の学校内で起きている問題のある態度の件数の折れ線グラフ、その問題のある態度の具体的内容の内訳の円グラフ、校長先生の改善に向けた意見をまとめたニュース記事と、編集者あてに元中学校教員から送られた先生たちへのアドバイスの手紙の4点の情報があります。

その上で、問いは、現在の学校の状況を報告し、与えられた解決策の要点を要約し、結論としてどの解決策が最も機能しそうかを与えられて理由をもとに200語程度で書きなさい、というものです。

よって、求められているのはあなたの個人的な経験や体験に基づく結論ではなく、あくまで与えられた解決の理由をもとに書きなさい、という点に注意が必要です。

「私の学校でも~」や「私も以前~」など自分の経験はいらないという点に注意です。

さて、多いミスはほとんどがTASK Aと同じものです。

それらはどれも減点対象になると思われるので、きちんと基本事項を確認してください。

その上でこのTASK Bにおいて特に大切なのが、やはり指示文をきちんと読むことだと思います。

与えられた条件を守らない、書くように指示されていることを書いていないのでは減点どころか点数はもらえないと思われるため、必ず指示文を精読する必要があります。

また、図やグラフに触れていない答案も多いそうです。

図やグラフの読み取りに必要な表現などはいくつかパターンがありますので、定型表現として覚えておく必要があるでしょう。

また、TASK Aと異なり、TASK Bでは複数のパラグラフを書く必要があります。

TASK Aでは本文を読み取るのに使用した知識を今度は書くのに活用する必要があります。

まずIntroductionを書きますが、これが一番難しいところでしょう。

Introductionの最後の文は前回も書いたように、自分の書くエッセイ全体が何についてか、というthesisが必要になります。

その上でBodyの部分で、それぞれの状況を紹介した上で最後のConclusionを書きます。

3~4パラグラフ位をトピックセンテンスとサポートセンテンスを意識しながら、パラフレーズしながらまとめていく必要があります。

単なる文法のミスを減らすというレベルを超えて、このようにパラグラフのつながりを意識した英文を書くのがエッセイライティングです。

何回も書いて、それを誰かに読んでもらってと言う作業を繰り返さないと、おそらく本番では頓珍漢な答案を書くことになってしまうでしょう。

そして、必ず書き始める前にパラグラフの構成をしっかりとさせ、それぞれの大体の語数も調整する必要があります。


そしてこれはTASK Aとも共通のことですが、書き終わったらもう一度読み直し、細かい文法や綴りのミスを修正する必要があります。

高校生に多いのが、時制が行ったり来たりするケースです。

本文や指示文にもよりますが、現在か過去どちらでも可能なケースが多いので、どちらでもいいので統一して書くこともとても大切です。

また、主語と動詞の形が一致しているか、文にきちんと主語があるか、など、自分の英文のミスの特徴をつかんでおくことも大切かと思います。


さて後半のスキルアップ講座では、TASK Aと同様にどのように生徒たちに指導するかの実演をされました。

指示文に求められていることを確認する作業、どのような表やグラフの種類があるかの確認などをTASK Aの時と同様の方法で行いました。

特にincreaseやdecreaseという単語やmore and more 主語~という書き方など定型表現はここで練習してもいいかもしれませんね。

さて、その上で実際の答案作成を我々教員も行いました。

4~5人1グループで大きな模造紙に各グループで1つ答案を作成しました。

現役の英語教師をもってしても苦戦している方が大勢いました。

でも、あのようにグループで作らせることで、あぁじゃない、こうじゃないと色々考えることができ、また英語が苦手な子も参加できて授業としては面白い方法だなと思いました。



なお、このTASK Bに対して大体50分を割り当てるのが標準的な時間配分だそうです。

また2つの英文には似たsolutionが述べられていることは通常よくあるそうです。

逆に言えばこれから生徒たち向けに練習問題を作る際には、2つの英文に同じようなsolutionはあえて載せたり、2つの英文の関連性も強く書くようにすることが大切となるでしょう。

最後に資料には生徒の答案の添削のためのアドバイスも載っていました。



さて、以上3回に渡り紹介してきた『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』、とても有意義な会でした。

TEAPのみならずエッセイライティングのテストで高得点を取るためにはどのような答案が必要か、そしてそれに向けてどのような指導を行うといいかのヒントを色々と発見することができました。

また、豊富な資料により、きちんと理解を行うことができ、大満足の研究会でした。

この研究会で配布された資料のうち、公式見本問題と指導者用手引きはTEAPの公式HPからダウンロードすることができます。

また評価規準などもライティングとスピーキングはCEFRを元に紹介されているので、こちらも必ず目を通すようにするといいと思います。

なお指導者用手引きはあくまで指導者用のため、利用者登録が必要になります。

公式HPの問題構成の中のライティングの見本問題などのところに案内のページへの外部ページへのリンクがあります。

とても丁寧に作られており、指導のヒントが満載ですので是非指導者の方はダウンロードをして読み込むことをお勧めします。

今回のこのリポートもこの指導者手引きを使用した研究会のリポートのため、いくつも追加で伝えたい内容がありましたが、著作権のことが気になりあくまで研究会で聞いたことを中心にリポートしています。

実際の手引きには実際の生徒の答案などが載っていてより分かりやすいと思いますので是非ダウンロードをして欲しいと思います。



さて、多くの学校では英作文の指導と言うと和文英訳どまりのところが多いようです。

自由英作文も型を教えるだけで、きちんとエッセイライティングまで踏み込んでいるところは少ないそうです。

実際に大学で英語で学ぶ際絶対に必要になることなのにそれを高校で指導していないのでは生徒に対しても大学に対しても失礼だと思います。

知識伝達型の講義を行っていては時間がいくらあっても足りないことでしょう。

授業では授業でしかできないことを中心に扱い、知識の習得などはその方法をきちんと授業内で指導すればどんどん生徒は主体的に知識を獲得していってくれると思います。

生徒が本当の英語力をつけるための授業、授業だからこそできる活動を中心に据えた授業がもっともっと日本で広まることを願っています。

そして自分自身はそれを現任校で実践し、それを様々な機会で発表して少しでも今回の教えてもらったような授業を広められたらと思います。

4技能を身につけながら現在の大学受験にも対応できる生徒を育てる授業。

まだまだ始まったばかりです。これからも頑張ります!!
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by shun-sensei | 2016-09-10 13:24 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

前回に引き続きTEAPを実施している英検協会主催の『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』に参加したリポートをしたいと思います。

第一部はTEAPの概要説明とTEAP指導用手引きの解説
第二部は指導用手引きを使ったスキルアップ講座

という二部構成でした。

本日はこの会のメインであるTEAP指導用手引きの解説とそのスキルアップ講座の内容を、TEAPを受験しようと考えている学生にとっても試験対策として必要な情報を混ぜながら、リポートしたいと思います。


まず初めにライティングには2種類あることが紹介されました。

一つがIndependent essayでもう一つがIntegrated Essayです。

日本語で言いかえると、前者が自分の意見を述べるタイプのエッセイ、後者が書かれている内容の要約型のエッセイです。

もう少し具体的に言うと、前者は自分の記憶や経験に基づきエッセイを書き、それらの例をもとに自分の意見を論評することが目的になります。

それに対して後者は、与えられた資料に書かれている事実、考えをまとめてエッセイを書き、情報源によって読んだり聞いたりする能力が求められるそうです。


おそらく多くの学生が高校の授業で扱ってきたのは前者の意見を述べるタイプのライティングなのかなぁと思います。

また、大学入試でもこのタイプを求める問題はかなり多いように思われます。


しかしTEAPで主に問うているのはこの後者のエッセイで、求められる力もKnowledge transferring、つまり書いてある内容をいかに自分の言葉でまとめ直せるか、だそうです。


発表者の方はしきりに、このテストは大学に入学後に実際英語で書かなければいけないことの大半がこの後者のタイプのエッセイということを述べられていました。

そして、その時に勝手にコピペして提出するとどうなってしまうのかを紹介されていました。

よって、受験生や指導者の方が絶対にしてはいけないのは、与えられた資料の英文をそのまま引用して自分のエッセイに書くことです。

引用するためには引用するためのルールがありますが、それではこのテストは引用だらけになってしまうため、自分が知った情報を自分の言葉で言い換えていく(パラフレーズする)必要があります。

発表者からはしきりにパラフレーズする練習を積み重ねてくださいとのアドバイスが与えられていました。

そんなパラフレーズするほどの語彙力がないのだが、という質問に対しては、それを指導するのがあなたたちの仕事、とかなり当たり前だが教員たちが言い訳をしている現実をズバッと指摘していました。

本校の授業では基本的に教科書本文の内容理解は、教師と生徒によるインタラクティブな英問英答の中で教師がさりげなく行うパラフレーズの連発により行われます。

またそのレッスンの復習として行うリテリングも、基本的には教科書に書かれた内容を自分の言葉でまとめ直すことが中心となってきます(初心者のうちは丸暗記がほとんどですが)。

よってこのようなアカデミックエッセイに対しても、普段の授業を積み重ねることで十分な対策になるなと再確認できました。



さてより具体的な問題の中身を確認しましょう。

大きく分けて2つの出題方式があり、一つ目が4~5パラグラフの英文を1パラグラフ70語で要約するタイプです。

この英文は大体英検の準2級の長文問題くらいのレベルだそうなので、公式見本問題や旺文社から出ている公式問題集などを解き終わったら、どんどん準2級の問題で練習を行うといいと思います。

自分も現在の高校1年生の後半の授業ではこのような授業を計画しています。

読んでから要約を行った後に、4人グループでそれぞれの書いた要約文に対してグループで指導し合い、最後に教師から簡単な正解の紹介する授業を複数回行います。

全員分を添削していると、教師側も続かないことと、友人の要約文を読み評価するという経験を通じ、それぞれの生徒は大きく成長します。

やはり、教師による一方的な講義だけではなかなか気が付けないこともあるので、このような授業を先生方もされるといいと思います。


さて、いくつかの学生によるサンプル回答を見ながらありがちなミスというか減点要因が紹介されました。

1自分の意見が述べられてしまっている。あなたの意見なんて誰も聞いていない。
2一文一文改行をしているため、1パラグラフで、という指示に従っていない。
3don’tやcan’tのように短縮形を使用している。アカデミックライティングではきちんと一語一語スペルアウトするのが決まりのようなものである。
4丸写しの文などがある。
5具体例などの個別の情報が中心で要約になっていない。
6本文と全く文構造が同じで単語だけ言い換えてあるのもあまりよろしくない。

以上のサンプルは、実際に何名かの高校生に問題を解いてもらった結果だそうですが、その時その高校生たちの目の動きも特殊な機械で分析したそうです。

その結果やはり、本文と解答用紙を行ったり来たりする、というコピーのような様子が見られたようです。

発表者の方からは、問題文と解答用紙を表裏にすることで、自分が読んで理解したことを自分の言葉で言い換えるいい訓練になるとおっしゃっていました。

確かに、写せる位置に英文があるから、ついつい何回も見て本文に引っ張られてしまうのかもしれないなと思いました。

初めのうちは、読む時間→構成を考える時間→書く時間とこちらで指示をし、原則本文には戻らず要約する練習をすることが大切かなと思いました。

また、同時に英文のパラグラフ構造やパラグラフ内のトピックセンテンスとサポートセンテンスなどの読み方の練習もとても大切だということが第二部のスキルアップ講座では紹介されていました。


第二部のスキルアップ講座では、TEAPを受験する生徒たちに向けてどのような授業を行うかの授業案が紹介されました。

我々教員が生徒役になり、発表者が教員役として授業案を実演してくださいました。

例えば、本文を読むときも一人で黙々と読むのではなく、グループで一人ずつ順番に音読して読ませたり、その後の課題もまずは空欄をブランクと言わせて読ませて、ちょっと考える時間があった後に、答えを入れながらみんなで読んでいくなどの方法が紹介されていました。

また、指示文をきちんと読んでいない生徒があまりにも多いことから、指示文の内容まで一番初めには必ず確認するようにと紹介されていました。

確かに指示文を読んでいないから、自分の意見を書いてしまうんでしょうね。


その後パラグラフの構造とトピックセンテンスについて確認した後に、実際にそのパラグラフとトピックセンテンスを指摘し合う活動や、パラフレーズの仕方を紹介した後に実際にパラフレーズする活動を実演されていました。

特にエッセイにおいてはIntroductionがまず初めにあり、その後Bodyが数パラグラフあった上で、最後にConclusionが来ます。

Introductionのメインとなる部分は1パラの最後の文であることが多く、読み手にこのエッセイが何について書かれているものかを提示するように一般的にはなっています。

またBodyは多くの場合一文目にそのパラグラフで言いたいことが書かれることが多いですが、それはそれぞれの英文で異なるので決めつけることはできません。

よって、受験生が書く1パラ70語の解答にも、必ずこのイントロのメイン、Bodyの内容、そしてconclusionの内容を含めなければいけません。

そしてさらに点数を上げるために、coherence首尾一貫性とcohesion文と文のつながりについて、2つの短めの英文のどちらがよりcoherentな英文か、よりcohesiveな英文かを指摘し合うアクティビティを紹介されました。

どれもアクティブな生徒が参加する活動を通じて、TEAPのライティングで高得点を取るために必要な要素を理解させられる素晴らしい授業例でした。

数回に分けて、初めにこのような授業を行った後に、どんどん練習を積ませながら生徒同士で添削し合うことできっと大幅な点数アップが望めるなと思いました。



最後に、このTaskAには大体20分くらいの時間をかけて解く、という発表者からの言葉がありました。

受験生は時間配分の参考になるかと思います。

さて、長くなってしまったので、TASK Aに関連したリポートでいったん終わりにしたいと思います。

次回はよりハードルの高いTASK Bに関連したリポートをします。
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by shun-sensei | 2016-09-03 13:22 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

TEAPを実施している英検協会主催の『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』に参加してきました。

第一部はTEAPの概要説明とTEAP指導用手引きの解説
第二部は指導用手引きを使ったスキルアップ講座

という二部構成でした。

今日はそのうちの第一部前半のTEAP概要説明の部分をリポートしたいと思います。

まず初めにTEAPの概要説明として、いかに現代が英語の4技能がより重要になっているかの説明がありました。

特に楽天やブリジストンに続き、ホンダでも2020年までに英語を公用語にするという情報が自分にとっては初耳でした。

また、改めてこのブログでも紹介したSGUの各大学が出している4技能を計る外部試験の導入の紹介がされました。

ここで発表者の方は、4技能を計る外部試験の一般入試への導入の目標値と紹介されていましたが、実際は入学者定員に対する割合なので、推薦入試やAO入試、内部推薦や留学生も含めた入学者全体に対する定員も含まれ、現実的には一般入試に含める割合は限定的なようです。

とても残念なことですが、筑波大学のように100%を掲げている大学もあるので、希望を持ち続けたいと思います。

また今年度から導入を決定した青山学院大学の経営学部と経済学部の一部入試においては、TEAPのスコアをそのまま合格判定に使用するという初めてのケースだそうです。

これまでの出願要件などと異なり、4技能の点数が高ければ高いほど入試に有利になるという素晴らしい制度だと思います。

是非他の大学も続いて欲しい方式ですし、また他の4技能外部試験も活用できるように調整を行って欲しいと思います。


また、スピーキングの試験に関しては、インタラクションをとても重視されているとのことでした。

一方的に話すだけでなく、面接官に質問をさせるなどの方式もこのような理念に基づくのでしょうね。

それなので、そこまでの会話と全く異なる準備をしてきた質問ではもしかしたら点数は低いのかもしれません。

きちんとそこまでの会話を踏まえた上で、インタラクティブな質問をその場ですることを求めているのかなぁと聞いていて思いました。


さて、次回はいよいよ今回この会に参加をした理由であるライティングテスト指導者用手引きとその活用方法についてリポートしたいと思います。
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by shun-sensei | 2016-08-27 13:20 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

TEAP連絡協議会④ パネルディスカッション

TEAP連絡協議会の報告の最終回です。

最後は会場の先生方から集めた質問に対して色々と講師の皆様に語るという時間になりました。



まず初めの質問が2020年にセンター試験に変わって新しく導入される新テストに関して。

英語としては4技能を計る試験を導入すると言われているがどうなのかという質問です。

文科省の方によると現在実現可能性も含めて議論が行われ検証が実施されていそうです。

もちろん一番の問題点はスピーキングの試験の実施可能性でしょう。

ライティングもまだまだ採点面などで課題はたくさんあると思います。


また民間との連携をどうするかの点においても、まずは両極端を紹介されていました。

片方の極端が、すべてを現在のセンター試験のように独自で実施すること。

そしてもう反対の極端として、全てを民間の外部試験に委託してしまうこと、つまり丸投げを紹介されました(丸投げはshunsenseiの勝手な解釈です)。

この両極端に対して、どの程度の位置で実施するか、どこらへんを落としどころとするか、を今年の12月には発表されるとのことでした。


この議論の中で松本先生からは、一部の先生が2技能で十分測定できると言っていることの紹介や、消費税同様に延期と言わないで欲しいと意見を述べていました。

自分の個人的な予想ですが、延期でしばらくは2技能で続けるのかなぁと思っています。

独自での開発は時間的にも難しいでしょうし、外部への委託も可能性はありますがさすがに抵抗があるのではないでしょうか。

ただ文科省の教員研修などの民間への丸投げを見ていると、十分丸投げはあり得るのかなぁと思います。

その際、最近の様々な民間を活用した調査を見ていると、ベネッセが行うGTEC CBTが有利なのかもしれません。

しかしその際も必ずTEAPも選択肢として生徒が選べるようにしてほしいと思います。

つまり2つの試験のどちらかを各自選択して受験する方式にして欲しいと強く思います。

また、上智大学の調査からも2技能と4技能の点数には相関関係がないことが証明されました。

2技能の入試で十分と言う先生はどのような根拠を背景に言っているのでしょうかね。




さて、質問はもっと根本的なものに移ります。

本当に4技能で計ることがは必要なのか?
読む力がこれ以上下がっていいのだろうか?
高校の現場でこれ以上忙しくなるのは困る。

今でもこのような質問がやはり出るのですね。

それに対して、4技能を伸ばすことはリーディング力の軽視ではないというみなさんの意見に強くうなずきました。

どの先生だかメモが残されていませんが、英語力を身につけるのではなく英語を使って何ができるかをこれからは見ていきたいということを紹介されていました。

特に立教大学では大学2年生の英語の授業で、400ページくらいの英語の文献を事前に読み、授業ではそれを英語でまとめたり、議論をしたり、講師からの講義を英語で聞いたり、プレゼンを最後に行ったりしているという松本先生の授業が紹介されていました。


ここで自分自身の授業を振り替えって、少し反省しました。

教科書を授業内で読んで、それをアウトプットに活かす授業で本当に十分なのだろうか。

何だかいつも感じている満たされない感覚がここで明確になった気がしました。

教科書って何なのか、あのレベルでとどまっていていいのだろうか。

今後の課題として、授業をもっと充実させるための策を考えたいと思いました。



さて、また別の方も4技能は必要とはっきりおっしゃっていました。

その理由として、現在という時代は昔と違うことを紹介。

例えばたまに英語を話せないノーベル賞受賞者を例に出して、英語力はそこまで大切でないとおっしゃる方がいるが、それは昔だから可能だったこと。

現在は海外の先生との合同研究は頻繁にあるし、海外の文献を読む必要性や学会での発表、海外の方との会議や学会での発表など、昔とは全く異なることが紹介されました。

昔は英語のアウトプットというとわざわざ海外に行った上で使うものであったが、現代の技術では日本にいながら外国の方とコミュニケーションを取る必要性がしょっちゅうあるそうです。

また、研究室にいる様々な外国人の存在も大きいようです。

今の時代、英語は4技能が使えて当たり前なのでしょう。



また印象的だったのが立教大学の松本先生が大学生を面接していて感じる学生の差のお話です。

留学希望者に対して面接を行う際、やはり英語力の無い学生は「何か英語を使った仕事がしたい」など、英語が目的で終わってしまうそうです。

自分も経歴上何人も見てきました、ただ英語ができることを目的にしてしまっている人たちを。

その度にいつも思っていました、英語ができることなんてそんな大したことではないのになぁと。

それに対して、英語力がある学生は、具体的なプログラムに対して積極的な意見や目的を持つことができているそうです。

ちなみにそのような学生は小さい時から課題解決型の学習を行っていて、中高でもスピーチやプレゼンなどを行っているため、大学生として本当に何をするかに視点を合わせられているそうです。

そのような意味でも、中高できちんと4技能をバランス良く伸ばして欲しいとのことでした。

日々の授業を振り替えさせられるお話でした。

英語を使って様々なものの見方や視点を伝えていきたい。

英語「を」教えるのではなく、英語「で」何を教育するのか。

そのような意味で色々と日々の授業を反省するきっかけとなりました。



またその話につなげて、問題解決力の前に問題発見能力を伸ばす重要性が紹介されました。

受け身に与えられるのではなく、自分自身で課題を発見する力。

日本の学生は自分で課題を見つけることが苦手だそうです。

日頃自分自身が大切にしたいと思う力です。



今ある現実からの変化ということがいかに難しいかは日頃から実感させらることです。

大学の先生方も、4技能入試を導入されるのに様々な努力を重ねていることがひしひしと伝わってきました。

このオリンピックまでの数年が本当の正念場だと思います。

オリンピックまでに大きく変えられなければ、その後の変化は難しいのかなと思っています。

抵抗勢力の圧倒的な数に対して、大学の現場でも必死に戦ってくれているのもとても理解できました。

だからこそ、各社がもう少し協力し合って普及に努めてほしいなというのが一個人としての意見です。

TEAPとGTEC CBTが合同で開催する研究会など皆無です。

ライバル企業、受験生の奪い合いという現実は分かりますが、本当に英語教育が変わらなければどちらの企業も大きな利益のチャンスを失います。

もう少し協力し合って、導入する大学を増やすことなど普及面に力を注いで欲しいと強く思うこの頃です。

TEAPとGTEC CBTの片方しか導入していない大学には、裏側に何かがあると思うのはうがった見方でしょうか。


本当に英語教育の未来、などの言葉を発するのであれば、4技能を計る外部試験はすべて導入してほしい。

それを片方だけ行っている時点で、このチャンスに対して大きな足かせというか、足を引っ張っているという自覚を持ってほしいと思います。



TEAPのみが利用可能でGTEC CBTが利用不可能な大学は本当に改めて導入する意義を考えてください。

IELTSやTOEFLやTOEICよりははるかにGTEC CBTの方が受験生を計る有効なテストだということは明確です。

大人の事情を捨ててください。

英語教育の未来のために、余計な雑念を捨ててほしいと思います。
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by shun-sensei | 2016-07-09 20:52 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

TEAP連絡協議会の報告も3回目となりました。

本日はいよいよ来春から導入が行われる早稲田大学です。

早稲田大学は他大学以上に学部ごとの独立性が高いことは以前から知っていましたが、それがこんなにもか、と思わされる講演でした。

入学者選抜も学部ごとに設置しているようで、来年から導入をするのは文学部と文化構想学部です。

いわゆる昔の第一文学部と第二文学部です。

よって本日の講演内容はすべて上記2学部に限定したお話となります。


まず初めに2学部の英語カリキュラムの全面的な改編の歴史を報告していただきました。

それまで技能別に教えていた授業科目を、どのような目的で活用するかで分ける科目へ変更したことや(例えばリスニング→ディスカッション)、教授言語を英語に変えたことにおける担当者の努力はとても血のにじむようなものだったことがひしひしと伝わってきました。

例えば先生方は、英文学などの専門の講義と英語などの語学の講義の両方を持つそうです。


その際、英語で英語を教えることになった結果、英語の授業を担当する日本人は安藤先生一人だけになったそうです。

つまり他の日本人の教授は全員、英語で英語を教えることに反対だったか、自分にはできないと思ったか、ネイティブにやってもらった方がと思ったかということになります。

しかしこれを機会に、英語の授業を英文学専修から切り離すことができ、新しい非常勤講師などをどんどん公募で獲得することができるようになったそうです。

これまで文学部の大学院で学んだ学生が、ステップアップとして講師をすることが多かったそうですが、これにより学外の大学卒の教員などが増え、いい流れができた印象でした。


また入試の再編は英語教員であれば誰もが知っている通りで、指示文はすべて英語になり、和訳や和訳っぽい問題はなくなり、あの特徴のある英文一文での要約問題が導入されました。



さて、そんな改革を続けている早稲田大学文学部と文化構想学部が4技能入試を導入することになったきっかけのお話がありました。

高等学校の新学習指導要領の実施や、Waseda Vision 150の策定。

そして、安藤先生がTEAPを知るきっかけとなった訪問のお話はとても印象的でした。

安藤先生が、TEAP対策を行う受験生がいるのでは?という質問に対して、TEAP対策を行うことはそのまま学習指導要領に沿った学習をすることになるのだから何も問題がない。

その通りだと思います。

TEAPに限らず4技能外部試験の対策を行うことはそのまま必要な英語力をバランス良く身につけることになるので、何も問題ないと思います。



さて導入方法ですが、入学定員の7~8%というものは一年目にしては上出来に思われます。

また何より、一般入試で活用できる点が大きいです。

一般入試で、外部試験を利用した受験生は国語と地歴のみで選抜を行うそうです。

その代り、それぞれに合否基準点が設けられるため、極端に得意な科目を活かすという戦略は成り立たないようにしてあります。



ここまでは素晴らしいのですが、ここでもGTEC CBTが選択できないという大きな問題があります。

様々な事情があることは分かりますが、本当に英語教育のことを考え、4技能をバランス良く教育していこうと思うのならばなぜGTEC CBTを排除するのか。

実質一社の試験に偏らせることの危険性と、何よりそれが普及にブレーキをかけかねないことは想像できないのでしょうか。

特に早稲田大学という日本の中でも影響力が抜群に高い大学が実施する試験だけに、大きな不満があります。

様々な素晴らしい理念を語っていましたが、この点を解消しない限り自分にとっては裏側に汚い部分が残る理念に感じられてしまいます。



もう一度言います。

早稲田大学は、GTEC CBTも受験要件に加えてください。



少なくとも英検よりははるかに4技能を正しく計る試験だと思います。

英検とGTEC CBTを両方受けた個人的な印象ですが、正直英検ではきちんと4技能をバランス良く学習はしてくれないと思います。

特に2次試験のスピーキングは決して十分な物には思えません。



これからの英語教育のために、一日でも早く早稲田大学にこのメッセージが伝わるよう今後も様々な場面で発言していきたいと思っています。
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by shun-sensei | 2016-07-02 18:29 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

TEAP連絡協議会に参加した報告の続きです。

本日は立教大学の松本茂先生の講演の感想を中心に報告します。

この講演を通じて、改めて英語教育とは何だろうと考えたことと同時に、立教大学の良さと課題を実感しました。

講師の松本先生はNHKテレビの「おとなの基礎英語」の講師もされている英語教育界では大御所中の大御所。

実は初めて講演は聞きましたが、やはり素晴らしい講演でした。

立教大学での外部試験の導入の目的は2つ、大学自信のグローバル人材の育成という高い志と、我々高校で4技能を指導している中高の教員に対する寄与だそうです。

前者はどの大学もアピールしますが、後者の我々高校教員への配慮を伝えてくださる大学は初めてのように思いました。

立教大学の導入の特徴は、全学部入試の採用方法で、全学科採用テストも基準も統一であるという点でしょうか。

さて、前者のグローバル人材育成の点に関して言うと、この数年留学先からのIELTSの点数等に対する基準がかなりシビアになっているそうです。

今までは若干英語力が足りていなくても、交換留学協定が結ばれていて大学側からのきちんとした推薦理由があれば受け入れ可能だったところが、この数年はきちんと点数に対してシビアになったそうです。

それだけ英語力のある学生が増えているからでしょうか、それだと嬉しいですね。



また日本に留学しにくる学生の変化も大きいそうです。

昔は日本に留学=日本語を学びに来るという学生が多かったそうです。

それが今では全く日本語を話せない状態で、あくまでその学問を学びに来る学生が大幅に増えたそうです。

あくまでその学問を学ぶ環境として日本の大学を選んでくれているのだから、当然英語で講義をしていく割合を増やしていかなければいけませんね。



また、後者の中高の現場の教員に対する寄与ですが、大学側からしても切実な問題だそうです。

なかなか大学入学から2年間だけで、話す力や書く力を伸ばすことの難しさ。

可能な限り中高からずっと4技能を指導していてくれると大学入学後に指導する必要性が減ります。

究極の目標は大学で英語という授業がなくなることだそうです。

高校までに英語力を十分に付けた学生が、英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶような時代が来ることを目標にしているそうです。

その通りであるべきだと思いました。

立教大学では外部試験の導入方法として、出願要件という方法を取っています。

つまり出願するためには外部試験で何点以上のスコアが必要と言う方法です。

この理由は2つあり、レベルはCEFRのB1に設定しています。

理由のひとつ目は大学側が設定しているアドミッションポリシーとの合致という点からも、高校までに十分に4技能を鍛えて入学し、大学2年間で留学準備を整えられるようにしたいそうです。

理由のもう一つとして、入学選抜そのもののに対する改革の第一歩という意識があるそうです。

1点刻みで合否を決定している現在の制度や、そこに英語の点数が活用されていることに違和感があるそうです。

大学で学ぶための能力が十分にあるか?を測定するのだから、国際標準である最低基準方式を取るべきとのことでした。

長年にわたり語られているテーマですが、中々日本からこの「ちょっとでも偏差値の高い大学に入学する」競争がなくなることは難しいかもしれませんね。


さて、出願基準をCEFRのB1に設定した理由は、大学在学中に留学に必要なレベルであるB2レベルまで引き上げることが可能なレベルだからという理由だそうです。

また英検に関しては、ライティングが導入される平成28年4月以降のものに限定し2級でも利用可能になるそうです。




さて自分が感じた課題ですが、やはり入学定員に対する割合の問題が一つあります。

外部試験を利用する入試が、自由選抜入試というAO入試にあたる実質専願入試のようなものや、帰国性入試や指定校推薦、付属高校の入試など特殊な入試を含めて定員の50%を2019年度に達成するそうです。

正直50%という数字を聞いて素晴らしい、と思っていましたが、いわゆる一般入試での活用機会はかなり限定的で、それ以外の選抜方法が中心だと初めて知りました。

自分がイメージしていたような、外部試験を一般入試で活用して、試験前は英語以外の教科に専念して入試で有利になる、という生徒へのお得感というか旨みはなさそうです。

9割以上が一般入試の本校のような学校では、まだまだ活用は難しいかもしれませんね。

こちらの勝手な思い込みですが、それにしてもガッカリしてしまいました。

また、立教大学で外部試験を利用した生徒の8割がTEAPを、1割が英検を利用したそうです。

立教大学はGTEC CBTも利用可能で、その点に関しては素晴らしいと思うのですが、現実は9割が英検協会の寡占状態のようです。

これに関してはやはり大きな問題があると改めて思います。



全体的に立教大学という大学に対する印象も高まった講演でした。
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by shun-sensei | 2016-06-25 17:45 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(2)

先日TEAP連絡協議会に参加させていただきました。

本日はその中でも上智大学の入試センター長のお話を聞いた感想を中心に報告したいと思います。

上智大学は2015年度のTEAP利用入試では全学科2技能のみ、2016年度になり学科により2技能と4技能がそれぞれ設定された入試を行いました。

2技能(読むこと、聞くこと)から4技能(+書くこと、話すこと)にした結果、4技能を課した学科は志願者が大幅に減少しました。

例えば経済学部経営学科では2015年度入試で1011人いた志願者が2016年度入試では152名にまで減少しました。

その他にも、経営グローバル774→282、社会542→105、新聞501→115など、4技能入試を課した学科ほど大きな減少が見られました。

その要因は当然4技能を計られることを受験生が敬遠したことが理由の一つ。

もう一つに、もともと2015年度の入試があまりにバブリーな状況だったからということでした。

例えば先ほどの経済学部経営学科は2015年度入試における実質競争倍率は20.3倍。

社会学科も28.5倍と大学入試としては異例の倍率だったものが、通常くらいの倍率に納まったという見方も可能かもしれません。


さて、上智大学ではTEAP利用入試のスコアと入学後に行われるプレイスメントテストの試験の点数から様々な分析を行っています。

その結果から非常に興味深い分析が発表されました。

まず、TEAP利用型入試と一般の学科入試の入学後の点数の結果ですが、2技能を課した学科では学科入試(一般入試)の学生の方がTEAP利用型入試の学生より点数が高かったようです。

4技能を課した学科では、さすがにTEAP利用型入試の学生の方が若干学科入試(一般入試)の学生より点数は高かったようですが、必ずしも英語力の高い学生がTEAP利用型入試を選んでいるのではないことがこの結果から見えてきます。

大学側の考えとしては、2技能型の受験生に関して言えば、出願要件に過ぎないTEAP利用型入試より、一般の学科入試できちんと差をつけたりしようとしたのではないかとのことでした。(TEAP利用型入試では基準を超えているかだけを見て、点数の差はみません、つまり英語で差をつけられません)

確かに2技能型入試では前年の倍率を考えても一般の学科入試の方がお得かもという受験生の心理もうなずけます。



また何より興味深かったのが各技能の相関関係です。

つまり、スピーキングやライティングの点数が高い生徒は、リーディングやリスニングも点数が高いのか?という関連です。

これを分析することで、今のリーディングに偏った入試で十分に学生の英語力が計れるという意見の真偽がはっきりします。

分析結果は、リーディングリスニングとライティングスピーキングの相関はあまりない、という結果でした。

つまり、2技能だけの入試では、アウトプットの力を計ることができていないという問題点があるということが今回の分析からは結論付けられました。


ちなみに、書く力と話す力の間にはもっと相関係数が低いそうで、書けるから話せるでもその逆でもないことがはっきりしたようです。


これらの結果は今後の入試はどうあるべきかという議論に大きな影響を与えられそうですね。


さて、上智大学の入試に対する姿勢は素晴らしいもので、2017年度からは全学科で4技能を課すそうです。

またそれ以外の教科においても記述式の出題を課し、単なる知識型の入試ではなく、これからの入試改革を先取りする意識で行っているそうです。

2016年度入試の問題が紹介されましたが、世界史の問題でまるで現代文のような文章を読み、一つの歴史的な仮説に対して論じるという問題や、数学の証明問題共に、全問マーク式の印象だった上智大学のイメージが大きく変わりました。

入学後の追跡調査や、英語で講義を行うCLILカリキュラム、留学制度や海外でのインターンしぷの拡充など、一つの大学としての姿勢は素晴らしいです。

入試の受験料という収入を捨ててでも、よりよい学生を育てて排出しようという素晴らしい姿勢に対して、応援したい気持ちでいっぱいです。


ただ、今後も自分は一つ言い続けたいことがあります。

それはTEAP以外の外部試験、特にGTEC CBTの2つの外部試験を必ず利用可能にするべき、という意見です。

その理由は改めて書きますが、一社による独占状態は絶対に避けるべきだし、そのために各大学はTEAPとGTEC CBTの2社の試験を利用可能にするべきです。
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by shun-sensei | 2016-06-18 16:58 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)