カテゴリ:英語教育( 90 )

前回に引き続き、駿台予備校の武富先生による一橋大入試問題研究会の報告をしたいと思います。


まずは英作文から。

一橋大学の自由英作文はここ数年かなり変更が多いです。

2000年ころから120~150語の本格的な自由英作文を課していて、かなり難しいテーマを出していたころもありました。

3問から選択なので、受験生は難しいテーマを避けて書けばいいだけなのですが、大学側の求める力の一つの目安としてやはり出題が印象的でした。

しかし準備された答案に当てはめられるのを嫌うのが東大と一橋大であり、どちらも準備した英文を書くのは不可能な出題となっている。

一橋大は昨年は絵を見てそれを描写するというもの。

評価は内容面に関してはおそらく行われておらず、あくまで英語表現面での評価だろう。

今年度はさらに特殊な出題で、しかも手紙を書くという形式。

受験生が一番選んだのが1のテーマで、3のテーマがそれに続きます。


はっきりと武富先生は「もうお手上げ」とおっしゃっていました。

一瞬その言葉の意味を理解できなかったのですが、先生はおそらく事前に準備をするような指導をイメージされているようで、それに関して「もうお手上げ」とのことのようでした。

センテンス単位でのインプットを行うトレーニングが必要とのことで、外大の要約パターンや東大が2016年に出題した続きを書かせるパターンを紹介されていました。

議論型から創作型へ明らかにシフトしているので、できる指導は限られてくるのかもしれません。



最後にリスニングです。

恥ずかしながらなかなかリスニング問題まで研究はできていませんでしたが、今回音声のイメージを聞かせていただけました。

まず一橋大のリスニングはディクテーションに近いのが特徴です。

3問の出題に対して3回も英文は読まれるので、いかに聞き取ってそれを書けるかが勝負のよう。

スピードはかなりゆっくりで、本校の生徒ならかなり高得点が取れるだろうなと思いました。

なお、今春はちょっとしたミスが大学側からあり、少し貴重なものが見えたようです。

とても参考になる情報をいただけました。

なお、ディクテーションに近いので、リスニング力だけでなく、スペルや文法力も見ているのでしょう。

大問と大問の間は1分程度の間があるので、そこで答案を完成させる必要性があります。

なお、聞くだけが通用するのはセンターレベルであり、この大学のレベルになると、聞きながらあれこれを行うような力が大切とのこと。

センター第4問Bをアレンジすると良い練習問題が作れるとのことでした。




さて、ライティングに関しては指導の根本的な考え方の違いを実感させられました。

短期で結果を出すために、出される表現を準備するような対策を考える予備校に対して、学校ではやはりどんな場面であってもどんな内容でも英語で書ける力の養成を目指します。

そんな学校からすると近年の一橋大の英作文の出題は取り組みやすいと思います。

日常で生徒が出会うであろう英作文を出題してくれていて、とても指導がしやすいなと思いました。



またリスニングはあまり感心しない出題方式です。

実際の場面で求められるよりもはるかに細かいところにこだわった出題も多いですし、なによりも同じ音声を3回も聞くという場面は中々実際にはないと思います。

ライティングに引き続きリスニングもよりauthenticな出題に近づくことを願っております。



ここ2年、かなり取り組みやすくなった一橋大英語。

この流れを是非続けてさらに推進して欲しいと思います。

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by shun-sensei | 2017-10-07 08:53 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

少し前ですが、駿台予備学校主催の一橋大入試問題研究会に参加をしてきました。

50分×2の時間を通じ、駿台予備学校の武富先生からの分析を聞いてきました。


まず読解からです。

和訳問題が減少し、説明問題が増えています。

内容理解を主眼としており、英文全体をきちんと読んでいるか、パラグラフ全体を読んでいるかを試すような出題が多いのが特徴でしょうか。

生徒の再現答案を見ていても、そこがかなり差が出ているところだそうです。

もちろん日本語の表現力も重要になってきます。


今春の問題の大問1の(3)を使い、実際に説明をされていました。

Yetを中心に逆説の展開をまとめれば良く、今回は生徒のできも良かったようです。

外した一部の生徒は下線部のパラグラフのみをまとめている子や、paradoxになっていない子ですが、このような典型的なパラグラフ構成をきちんと読み切れないのは厳しいとのこと。

展開としてのgeneral→specificな流れをきちんと理解することが大切である。


ここでこのgeneral statementとpassive statementについて解説するのに使われる英文を紹介してくださいました。

ライティングの典型的な展開としても紹介されるそうです。


続けて昨年度の大問1の(1)、2015年の大問(1)を紹介され、直後をまとめるだけのシンプルな出題を確認しました。


設問は対比、逆説、理由づけ、言い換えなどを使用して作成されている。

それを生徒たちに意識させることで生徒も容易に正解にたどり着けるようになる。



ちなみに本番の解答用紙ですが、B4縦で、今回の大問1の(2)で3行くらいだそうです。


ということで一橋大学の説明問題はよくあるシンプルなパターンで一橋大学らしさはないという結論に至りました。




続いて和訳問題ですが、年々軽くなってきています。

基本英文より少し難しいくらいのレベルの英文が出題されています。

ここ数年で和訳問題が減り、説明問題が増えています。

和訳は点が取れる分野なので、落とさないように準備をさせたい。

しかし近年高校生の間に基本的な和訳の方法を学んでいない生徒が多く、予備校としては助かっている。



ちなみに一橋大学の合否を大きく左右すのは数学だそうです。

数学は大問一つで0点など続出するが英語では0点はあり得ない。

きちんと数学はみんなが取れるところは取れるようにしておかなければダメ。




ところで和訳問題については東北大学が採点講評を出していて、出題意図なども公表しています。

そこで紹介されている誤答例などを見ると学生の傾向は顕著に見えます。

機能語に目が行かず、内容語にばかり目が行っている答案が本当に多いようです。

それで修飾関係や共通関係を外してしまっています。

中学から学び続けたはずのことがあまりに定着していない現実。

改めて基礎基本の徹底が指導の中心となり、文脈型の和訳などはそれらが仕上がってからでよい。


ちなみに伊藤和夫先生の著作の数々は生徒の誤答例がもととなってる。

とにかく伊藤先生は生徒の答案をよく見ていた。

生徒の誤答は宝であり、生徒の誤答を基に授業を組み立てていらっしゃるそうです。



読解対策の指導上のポイントというページで、どの手順で指導を行うべきか。

そして合格ラインに届かない典型的な受験生の傾向をまとめてくださっていました。

このページは実際に現在高2の生徒に見せたいなと思わされました。



さて続けて文法問題ですが、今春の問題はとても雑な作りで難しすぎるとの講評でした。

ある書籍からいくつか文だけを抜き出していて、内容の方向性が見えなかったり、語彙のレベルなど調整不足な印象のようです。

実際生徒の出来も悪く、2016年のかなり優しかった出題とは対照的でした。

整序問題が最近は多いですが、生後問題の年度もあるので注意が必要でしょう。

なお、一橋大学は名詞修飾のasがよく出ます。

ただこれを整序作文で出すことに関しては武富先生は微妙とのことでした。


また今春は突然長文内で空所補充の出題があり、機能語を埋める文法問題でした。

組み合わせに注目すれば優しかったものの、今までは内容面での整序作文だったのに比べて、今回は実質文法問題でした。




長くなってきたので次回英作文とリスニングを取り上げたいと思います。

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by shun-sensei | 2017-09-30 11:09 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

なかなか受講者側では気がつかなかったことに最近気がつかされます。

もちろん講演者側は講演を提供する側であり、受講者はお金や時間を割いて来てくださるお客様です。

しかし、同じような仕事を行いながら、この講演会などについての準備を行っているという視点は分かっていたつもりでしたが、実際に行ってみて改めて色々考えさせられます。



今回ある研究会で一人で2時間お話する機会をいただきました。

これまでの講師や発表はあくまで複数いるうちの一部を担当しましましたが、今回は自分の話だけを聞きに来られる方々対象の会です。



準備は初めは楽しいものでした。

あれを話そう、これを話そう、この動画を編集して見せよう、等々とにかくやっていて楽しい作業。

しかし、いざリハーサルを行ってみて大きく情勢が変わりました。

とにかく自分の欠点というか、弱点があれこれ話したくなり、話が膨らむというか脱線してしまいます。

脱線しなくても時間を軽くオーバーしていて、もはや絶望的な状態です。

一度はあれをカット、これをカットと次々と話をカットし、それに合わせスライドもカットしていましたが、もはや収拾不能になり・・・。



いったん、改めてテーマや何を一番伝えたいかという骨格を書きだしそれに合わせてスライド等を作り直しました。

これでも時間はまだ厳しく、度重なるリハーサルと自分へのダメ出し。

気がついてみると、2時間の講演に対し、何十時間、いや百時間くらい費やしたでしょうか。

やっと完成させることができました。

自分は現場でどうしても雰囲気に合わせ話を追加してしまう可能性が高いものの、これ以上の短縮は難しく、時間オーバー覚悟で臨むことになりました。



おかげさまで参加された先生方から本当色々と反応をいただけ、準備した甲斐がありました。

少しでも自分の思う英語教育の方法が広がればと思い今回は準備をしました。

もっともっと自分の授業力を上げ、説得力のある説明ができるようこれからも頑張ります。

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by shun-sensei | 2017-09-16 10:01 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

みなさんは英語の授業で生徒に何を身につけさせたいですか?



前任校の自分であれば、「大学受験に合格する英語力」と答えていたと思います。

実際授業もその点に集中し、本文を広げて何かを指導することなど一切なかったです。

あくまで本文に出てくる知識を伝達する、知識を身につけさせるような授業でした。

かろうじてパラグラフリーディングなどで論理構成などについて指導をしていたくらいでしょうか。



現在の自分はと言うと、一言で言うと「生徒の人間力を高めたい」でしょうか。

この場合人間力とはどのようなものでしょか。

改めて客観的に考えると自分が生徒に無意識で求める人間力とは、仕事でもプライベートでも多くの人々に求められるような人材になることをを目指させているのかもしれません。

少なくとも目の前の高校生に対してはそれを強調することが多いと思います。

そのような周りから求められる人材とはどのような人間なのでしょうか。



英語力やコミュニケーション能力はもちろん大前提。

その上で様々な価値観を認める視野の広さを持っています。

物事を深く論理的に思考する力とそれを表現する表現力を持ち合わせています。

最低限の教養を持ち、また行動力があり、様々な経験をしています。



そのような姿を生徒に目指させたく英語の授業を行っています。

英語が使える力をつけさせることはもちろんです。

ペアワークやグループワークを通じてコミュニケーション能力を鍛えます。

また何より教科書本文を用い、様々な生徒の心を揺り動かす発問を行うことを心掛けています。

内容を深めるためには日本語を用いて、生徒が考えもしなかった価値観を示したり、反対側からの視点を提案します。

生徒から様々な意見が出なければ、ネット上の意見などとしたうえで生徒たちと異なる意見を紹介します。

それを生徒たちが否定した上で、実は反対の立場から考えるとどのように見えるかを見せ生徒の固定観念をつぶしにいきます。




そのような英語を教えるのではなく、英語を通じて色々な能力を身につけさせられるよう授業作りを行っています。

そうすると、授業作りも授業中もとても楽しくなります。

関連動画を探したり、画像を探したり、教科書本文の何倍も関連文献等を調べたりとても大変ですが、生徒の成長が目の前で見られ、とても授業が楽しくなります。

そして自分自身が生徒の発言から学ぶことも多くあります。

想像しなかった生徒の意見、発想、物の見方。

授業作りと生徒を通じて自分自身の成長を実感できます。

皆さんも改めて英語の授業で何を指導するか考えてみませんか。

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by shun-sensei | 2017-09-09 10:09 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

英語で英語の授業を行うようになっている先生が少しずつですが増えているようです。

嬉しい限りです。

しかし、授業では英語でどんどん活動を取り入れているのに、評価は従来の方法から変わっていないケースも多いように思われます。

それでは生徒が混乱をしてしまうと思います。

生徒の授業内の英語での活動が増えたならばそれに合わせた成績のつけ方をするべきでしょう。


具体的にはまずは観点別評価を行いましょう。

そうするといかに今までの定期考査が知識を試していたかと気が付かされると思います。


もちろん定期考査で初見のリスニング問題を出題してください。

前任校では適当なリスニング教材をそのまま出題というあり得ない方法でしたが、きちんと授業で鍛えた力を意識して、手作りの原稿と手作りの音声を用意しましょう。

ライティングも必ず出題すべきですが、和文英訳は書く力ではなく文法力に分類されるので注意が必要です。

書く力とは、生徒自身が中身から考えて書いた英文に適用されます。

また読む力を計ろうと思ったら教科書本文をそのまま出題するわけにはいきません。

一度すでに読んでいる英文を出題しては、読む力ではなく知識になってしまいます。

かといって、そこら辺から適当に英文を持ってくるのも読む力という点ではマシですが、授業から乖離しすぎてしまいます。

よく同じテーマの他教科書の英文などを出題する先生もいますが、それも知識になってしまったり授業で指導した力でないことが多いと思います。

そうなると唯一残される手段が、自分で英文を書く作業です。

授業で扱った表現を用いながら、授業で指導した読む力に合わせた英文と設問を作成します。



さて、好き勝手書きましたが、ここまで実践できている先生は本当少数だと思います。

しかし、理想は忘れずに、少しでも近づけて欲しいと思います。

今までの教科書本文そのままで出題していた定期考査がいかに作成が簡単であったかを知ることから始まるのだと思います。

英語は技能を鍛える実技教科です。

きちんとその技能の成長を計る定期考査を作成しなければいけません。

また、話す力はどうしても授業内で評価していくしかありませんが、きちんと成績にその割合を含める必要があります。



生徒に評価の観点や規準を示し、そのもとで授業を行い、それに合わせた評価を行っていく。

このような指導としては当たり前のことが行われていない現実があると思います。

少なくとも私の前任校はそうでした。

一日も早く、適切な指導が行われ、適切な評価が行われるよう、自分自身も色々と指導方法を広げる機会を作れるよう努力していきます。

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by shun-sensei | 2017-09-02 10:56 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

文法指導の方法について本日は書きたいと思います。

中学生を教えていて、生徒が使えるようになる文法指導の方法を実際に行うことができました。

大先輩方の指導方法を参考にし、真似をして指導をしたところ、面白いように生徒は理解をし定着することができる生徒が多かったです。



そんな経験をしたにも関わらず、昨年度高校1年次に文法を従来の予備校方式で教えてみました。

自分なりに工夫を加え、これ以上分かりやすい説明はないと自負する説明後に文法のドリルを解かせます。

宿題用に練習問題を与え、次の授業で復習の小テスト。

週1位時間のためかなり駆け足になってしまったことも原因の一つでしょうが、それ以上に生徒の中でしっくりこないまま進んでいったようです。

そして一年が過ぎ、現在2週目を指導していますが、本当に定着ができていなくて反省ばかりです。

焦らず、一つひとつの表現を定着させることを優先すべきだったと後悔しています。



定着する文法指導のためには、理屈の説明より慣れさせるのが大切なのだと思います。

まずオーラルイントロダクションのように、該当の文法事項を何回も教師が使う小話を用意します。

教師が数回その表現を使った後には、生徒に使わせるような質問をして、生徒自身にも使わせます。

そしてペア活動で使った後で、いったん日本語でその文法事項の説明を行います。

その後パタンプラクティスを行い、その表現をさらに何度も使わせます。

そして何か数文で良いのでその文法事項を多用する英文を読ませ、何度も音読させます。

最後にその文法事項を使うアクティビティを用意し、さらに使わせます。



ここまでやってやっと生徒の中でその文法事項が定着します。

生徒自身のライティングでその文法事項が登場するようになります。

文法問題はサッと正解が選べるようになります。



週に1時間では31項目くらいを扱うことが限界かもしれません。

仮定法であれば、仮定法過去、仮定法過去完了、should, were toの代表3パターンが限界かもしれません。

しかし根本となる用法をきちんと定着まで指導をすることの大切さを最近は強く実感しています。



網羅性の解説はもっと先でも良かったのかもしれないなというのが正直な昨年の指導の反省です。

網羅したところで生徒が正解を選べない、正しく英作文で使えていないのでは網羅した意味がありません。

そんなことを反省に今後の指導を行っていきたいと思います。


みなさんはどのように英文法を指導していますか?

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by shun-sensei | 2017-08-19 11:18 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

語彙指導の方法

語彙指導はどのように行っていますか。

例えば現在進学校で単語集を購入させていない学校は少数かと思います。

単語集を購入させ、毎週授業内で小テストを実施する。

これが非常に多くの学校が行っている方法でしょう。

やっている意義はどれくらいあるのでしょうかね。


その単語集ですが、本当に様々な出版社から様々なものが出ています。

フレーズで覚える、チャンクで覚える、テーマで分類して覚える、等々各社工夫を凝らしていますね。

一応現存するものすべてに目を通していますが、個人的な語彙に対する感覚に合う単語集は非常に少ないなという印象です。


私は基本的に単語は長文の中で使われていて、それぞ繰り返し音読することで覚えていくべきだと考えています。

そうしたとき、Z会出版の『速読英単語(必修編)』は非常によくできた書籍で、その70個の英文に関しては何度も生徒に音読をさせて勉強をさせました。


しかし、上記速単の弱点は本文に登場しない関連語が非常に多いという点です。

そしてその関連語に関しては例文さえもついていないものが多数あります。

さらにその速単も上級編になると本文非登場率が莫大になり、ほとんど速単の意味がない普通の単語集に近くなってしまいます。

他社からも英文で覚えるというシリーズが出ていますが、語彙レベルであったり英文の質や内容がイマイチ合いません。




そこでまだまだ時間はかかりそうですが、手作りの速単延長編のようなものを作成していきたいと考えています。

多少分厚くなりますが、きちんと網羅性があって、しかも内容も面白い英文を集めて読みこむ。

その結果生きた英語の中で語彙がどんどん身につく。

そんな語彙集を自分で作って生徒に取り組ませる日を実現させたいと思います。



実際に英語→日本語の方法で適切に覚えられるのであれば問題ないと思います。

しかし私自身はその方法では覚えられません。

覚えてもすぐに忘れ、また間違った使い方をしてしまうこともあります。

偏っているかと思いますが、自分の考える良い英単語集は現在存在しません。

そのため、日々英文をストックし、自分の考える理想の単語集が完成する日を夢見て努力を続けたいと思います。

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by shun-sensei | 2017-07-15 10:45 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

音読指導の狙いと方法

英語の授業で音読を行わない先生は少数でしょう。

しかしその音読の目的まで詳細に考えて行っている先生はもしかしたらあまり多くないかもしれません。

本日は様々な音読方法とその狙いなどについて紹介したいと思います。


まず音読とはどのような作業なのでしょか?

私は音読には二つのことを目的に行う活動だと思っております。

一つ目が文字と音を一致させること。

文字で書かれた英語は生徒の脳の中ではまだまだ正しい音に変換されません。

語彙レベルの単語から始まり、抑揚や切る場所、イントネーションなども含めて英語らしく音が出せるようになることがまず音読の一歩目だと思います。

この経験を積み重ねていくことで、生徒は初見の英文であっても自然と正しい発音で英語らしい抑揚をつけて、意味のまとまりごとに読めるようになっていきます。

これは経験値のような要素が強いのだと思います。


二つ目の目的はその表現をインテイクすること。

教科書には見本となるような表現や言い回しがたくさん入っています。

それを繰り返し音読することで、生徒の中にその様々な表現がインテイクされ、アウトプットを繰り返すことで完全に生徒が使える表現になります。

アウトプットで使えるかどうかがこの音読の量にかかっているのだと思います。



主な音読の狙いを踏まえると、どのタイミングでどのような音読を行うべきかが決まると思います。

例えば英文を読む前にいきなり音読を行う先生はあまり多くはありませんが、存在はします。

授業後の検討会などでその活動の意義を聞くと、ほとんどの先生は「なんとなく」とおっしゃるか、「音が分からければ読めないから」とおっしゃいます。

後者にはまだ意図がある分良いのですが、後者のようなケースは教科書と生徒のレベルが乖離しすぎているケースが多いです。

英文を読んだ後にいきなり音読をしてから解説を行う方もいらっしゃいますが、そのケースも特に意図はないようです。

基本的な音読の意義を理解していれば、音読は本文の内容理解後、アウトプット活動前ということは納得いただけると思います。



続けて音読の方法ですが、私は以下の手順で行います。

1.コーラスリーディング(CDに続けて)
2.コーラスリーディング(教師に続けて、個別で指名しながら確認)
3.パラレルリーディング(CDに合わせて)
4.バズリーディング
5.虫食い音読(ペアで)

1.コーラスリーディング(CDに続けて)でまずは見本となる音声を真似する練習を行います。

ここでももっと丁寧に行う必要性を一度目にしたことがありますが、これもまた適切な教科書レベルであれば不要だと思います。

生徒に高すぎるレベルの教科書を使わせて、細かく丁寧にコーラスからやっても、肝心の教科書の本文が生かされないと個人的には思います。


2.コーラスリーディング(教師に続けて)では、うまく言えていない生徒や間違えて発音している生徒を探すことが狙いです。

また、リズムが良く進むため、1よりも短時間で何回も言わせることができるメリットもあります。

1.のCDを使った方法は不要ではとの意見もいただいたこともあったのですが、やはりよりネイティブの発音を使用したいことと、3.のパラレルで出されるイントネーションと我々教師のイントネーションでは異なることもあり、やはり、1.の過程は残すようにしています。


3.パラレルリーディング(CDに合わせて)を通じて、より正確なイントネーションなどを確認させます。

正しく読めれば、構造等を意識しなくてもかなり本文が理解されるようになるため、個々の過程もとても大切かと思います。


4.バズリーディングでは、正しくつかめた音を定着させる目的で自分のペースで繰り返し読ませます。

音読の意義を理解できていない生徒はこの活動の様子を見ていると分かりますので、必要に応じて改めて意義を伝えたりします。


5.虫食い音読では、2種類の虫食いを用意します。

一つが文法面にフォーカスして空けた本文です。

適宜進行形や完了形に直さなければいけなかったり、動名詞か不定詞かなども含めて直させます。

もう一種類は内容面にフォーカスしてその言葉通り虫食いにした本文です。

様々な新出単語や重要な表現を意識して虫食いにします。



以上5つのステップの音読を行うとなると、15分くらいは授業時間を占めることになりますが、それだけ価値があることなので行っています。


以前も研究会等の報告で書きましたが、音読方法にも首をかしげたくなる方法が存在します。

一時的なゲーム性を持たせたり、声を出させるために行う必要性は分かりますが、それを続けてしまっては生徒は意味のない音読を行うことになります。


具体的にはいかに早く読ませるかという音読を様々な工夫を行ってされているケースですね。

本文が流れ落ちていくからそれに負けないように読むナレーター読みなどもこれに含まれます。

肝心の本文の意味内容への意識が阻害され、ただ音を出すことに集中が移ってしまうと思います。




さて、紹介したもの以外でもリード&ルックアップなどはとても効果的な音読方法です。

私は現在のルーティンには入れていませんが、時間がもっとあれば行いたい音読です。



声を出させる、音読に積極的に取り組ませる、という第一歩としてはゲーム性の高い音読も有効です。

しかし生徒自身が音読の意義をきちんと理解し、積極的に自分から音読を行わなければ、その活動の意義は弱まってしまいます。

高校生にもなれば生徒は論理的に考え、音読の必要性を理解できます。

是非、正しい身につく音読を行って英語力を高めていきましょう。

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by shun-sensei | 2017-07-08 14:14 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

前回に引き続き早慶入試研究会の報告です。

出張で外に出るのは仕事が滞る原因となるのですが、やはり学べることも多くとても有意義だなというのが正直な感想です。

設定してくださっている予備校にも感謝です。


今回は代々木ゼミナール講師の谷川学先生が慶応大学の分析結果について発表をされました。


まず初めに谷川先生の問題レベルの基準として、1易2やや易がGMARCHレベルの生徒にも解け、早慶レベルでは落とせない問題、3標準4やや難ここからが勝負の問題5難で合格者でも不正解者がいる問題とのことでした。

その上で一番初めに早慶上智レベル合格に求められる力を紹介されました。


まず初めに圧倒的な思考力とのことで、こちらは地頭とも呼ばれるまさに能力のことでしょう。

まずはここがしっかりしている生徒とそうでない生徒の差は本当に埋められないくらいの差だそうです。

実際に東大コースの生徒のことを紹介されどう違うかを紹介されていました。

続けて論理的思考力として、例として表面上の訳から裏の意図を探る力などのことでした。

3つ目が弱点科目の克服。

やはり弱点がある生徒はなかなか合格しにくいとのことです。

4つ目の人間力(性格)ですが、1回言われたことを素直に実行する生徒と、都合よく解釈して自分のスタイルを中々崩さない生徒の例を紹介されていました。

能力+それを引き出す性格の大切さを強調されていました。

5つ目が熟読の速読化とのことで、精読をスピーディーにできることとのこと。

いわゆる速読ではないことを強調されていました。

そして先入観の排除とのこと。


この6つの力がある生徒は確実に早慶上智レベルに合格をし、欠けている生徒はなかなか受からず、早慶上智とGMARCHの差は想像をはるかに超えて大きく離れているとのことでした。


この6つの力を身につけさせるために、谷川氏が授業時に心がけていることを4つ。

授業準備時に徹底的に悩んで自分で解答を作成し根拠を徹底的に考えて来るそうです。

先に解答解説を見てしまうとここがおろそかになり、授業としては不満足になってしまうことも多いそう。

続けて授業中ですが可能な限り生徒を指名し、解答の根拠を言わせるそうです。

この根拠を言わせることがとても大切で、初めはどうしても「なんとなく」選ぶ生徒ばかりだそう。

このレベルではなかなか成長もせず、合格には導けないため、必ずなんで?どうして?としつこく聞き続けるとのことでした。

3つ目の定期的な記述解答のチェックですが、特に選択肢の精読が合格力には不可欠とのことでした。

長文問題の本文は人に読ませるために書かれた英文ですが、選択肢は解くため(不正解で選ばせるため)に日本人が作ったものなので。精読力がとても大切とのことでした。

最後に完璧な予習ができているかのチェックを徹底されているそうです。

予習で自分で問題を考えてきて、各パラグラフのメモを作り自分で取り組むことで力はつきます。

そのチェックは徹底的に行うそうです。


さて各学部の今年度の傾向を見ていきましょう。


まず慶應文学部ですが2017年は難化しましたがそれは2016がとても易しかったからだそう。

例年で考えると例年通りです。

語数も1300語→2300語と大幅に増えましたが、同様に例年通りとのこと。

さて慶應の文学部の問題ですが、昔に比べると大分優しくなっているとのことでした。

レベル3-4くらいの問題が中心で思考力を試す良問とのこと。

各設問の解答ポイントを記述してくださっていてとても感謝です。

なお、和訳に関してですが、日本語の幅の重要性をおっしゃっていました。

英語が分析でき意味が分かっていても日本語としてきちんとできていないとなかなか高得点が難しいそうです。



続けて経済学部です。

一般常識というか社会常識の大切さを昔から講師の先生も聞いてきて、新聞を読む大切さを言われてきたが、高校生にとって新聞は若干ハードルが高すぎるとのこと。

そこで大人向けの雑誌なのですが「東洋経済」と「ダイヤモンド」は高校生でも読むことができるため、興味がある回だけでいいから買って読むことを生徒に勧めているとのことでした。

実際今まで高校生で「読んでも分からなかった」などの意見は新聞と異なりほとんどなく、手ごたえがあるそうです。

内容一致問題ですがSFCの問題がトレーニングにおススメとのこと。

前期で読解を固め、英作文は10月くらいからトレーニングを始めるとのことでした。

難易度は高く、①英文を前から素早く訳せる力②パラグラフの趣旨を素早く見抜く力③選択肢を絞り込む圧倒的思考力が不可欠とのことでした。



続けて法学部です。

発音問題が出ますが、満点は難しく1~2問ミスは仕方ないという考え方でいくべきでしょう。

また正誤問題ですが、基礎標準できちんと正解し、難易度の高いものは無理のない範囲での対策を心がけるべきです。

会話問題の対策には早稲田や上智の会話問題が良いトレーニングになるとのことでした。


SFCですが、この2年は長文3題です。

テーマが難しかったため、他予備校の分析とは異なり谷川先生は難易度3-4をつけました(大問1,3について)。


その後具体的な答案や問題を通じて対策のレベルを確認した後に最後にまとめがありました。

合否を分ける大きな要素の考える力、この力の育成に最近こだわっているようです。

浪人をしてもまたGMARCHという生徒がいる現実、その生徒と合格者の差は考える力が身につけられたかどうかの差だそうです。

予習時に徹底的に自分で問題と正対し考えつくせたかどうか、それが合否の大きな分かれ目になるそう。


色々とまた異なった視点から早慶対策の現場のことを色々と聞けて良かったです。

学校での指導と予備校での指導をどのように学校でどちらも行うか。

それを最近は課題として考えているため、今回のお話を活かしてまた今後の指導のレベルを高めていきたいと思います。

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by shun-sensei | 2017-06-10 18:02 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

代ゼミ主催の早慶入試研究会に参加をしていました。

2部構成で早稲田大学を佐々木和彦先生が、慶應大学を谷川学先生が分析発表してくださいました。

昨年度の福崎先生の行った分析よりもさらに深く具体的な話が聞けたので、昨年度に続けて参加をしてよかったと思います。

今回はそのレポートとして前半の早稲田大学の分析を報告したいと思います。

まず佐々木先生ですがご自身も早稲田大学の卒業生とのことで、早稲田大学に優秀な生徒を送り込むためにも予備校で指導をされているとのこと。

ここ数年の早稲田大学の入試傾向に変更はなく、GMARCHレベルとの違いについて語数と語彙レベルをあげ説明されました。

しかし語彙レベルに関しては、事前に全部知っておいてほしいというよりは、推測で分かったり、意味が分からなくても困らないものであったりすることが多いので、あまり追いすぎないことをおススメされていました。

また我々の指導方針としても、何でもかんでも未知語を予習で辞書引きをさせてはいけないとのことでした。


まずは政治経済学部ですが、語数が多く長いが各長文は読みやすいことと、出現順に設問があることを確認されていました。

自由英作文のテーマが前年度の慶應の経済と同じだった点についてはコメントは聞けませんでした。


続けて法学部。

法学部の長文自体は1000~1100wordsですが、選択肢が長く、それだけで700~800wordsになるため、長い英文を読む訓練は不可欠でしょう。

毎年微妙な変更がある法学部ですが、今年度も英作文でグラフを読み取りその上で意見を各出題がみられました。

こちらは法学部の教授の中に中央審議委員の方がいらっしゃり、アクティブラーニング推進派であるため、今後も続くであろうとの予想をされていました。

なお、グラフを読み取る英作文に関しては広島大学が以前から出題されているので、そちらを練習問題で活用すると良いとのこと。


変更点以外については、大門Ⅱの内容一致問題が出現順になっていないため、それで難易度が上がることを確認されました。

読み切ってから解くことを練習しなければいけなく、レベルは上がるでしょう。

また、早慶レベルは選択肢の精読がとても大切なことも改めて強調されていました。


さらに法学部の文法語法問題は数年ごとに変わり、前置詞問題の年もあれば誤文訂正の年度もあり、総合的に準備をする必要があるでしょう。


続けて商学部ですが、唯一和訳問題を出題しています。

しかしその和訳もとても易しいものなので、そこまで怖がる必要はないでしょう。

また内容一致問題で選択肢すべてについてtrue or falseを判定させるのだが、若干作問力不足から講師でも迷う選択肢があるので、それはスパッと捨てるようにとのことでした。

早稲田大学では和訳の採点は主観が入るため原則はやらないという方針だそうで、そんななか商学部は例外的でしょう。


教育学部は長文の長さが500words程度で設問のバラエティに富むことから教材作成者にとっては助かる学部

テキスト作成などの時に非常に重宝されるそうです。

初心者はまずは教育学部からチャレンジされると良いでしょう。


社会学部は昔はとにかく入りやすいことが特徴だったが今は大分様子が変わっているよう。

文法は難問が2~3問あるのでそれ以外できちんと得点を取るように。

長文の長さも2015年以降から1500~1800から2500words以上とかなり長くなっています。


理工学部ですが、慣れというか論理的思考力でこなせる設問も多いようです。

例えば文整序ですが、つながる2つの組み合わせが分かれば選択肢から答えが出てしまうものなど、あえてなのかもしれませんが英語力以外も大きな要素なようです。

また合格点ですが、6割無くても受かるのではないかという手ごたえだそうです。



国際教養学部ですが、リスニングがなくなり、英検や外部テストの活用が始まるそうです。



人間科学部ですが、200~250wordsの独立した易しい英文の問題のため、早稲田対策入門者にはお勧めのよう。

しかしイディオム問題は講師も知らないレベルが出るので、頻出のものできちんと点を稼ぎたい。

また、正誤問題のno errorが問題を難しくしています。



スポーツ科学部ですが、法学部や国際教養学部のような各段落の要旨を問う問題が出題されるため練習には良いでしょう。


文学部と文化構想学部はついに最後の一行要約に対して語数を4~10語での要約と変更されたよう。

おそらくあまりに長いダラダラとした一文が多かったのでしょう。



さて、後半に実際講師がどのように指導されているかを最新の問題を使って披露してくださいました。

佐々木氏はところどころダジャレを挟みながら、情報構造に注目し長文を解説されていくスタイルのようでした。

特に世の中で文脈というが、文脈とは何か?それは5つのパターンのことであり、①置き換え②具体例③対比④因果関係⑤並列の5種に必ず落とし込めるとのことでした。

各表現や文を上記の5つのパターンでつなぎ直していく解説で、どこにどう注目すれば解けるのかを解説されていました。

また今年度の下線部の意味問題を
①知識型
②文脈型
③消去法でないと解けない型
の3タイプに分けて何問ずつ出題されたか、
また空所補充問題を
①コロケーションやイディオムなどの知識型
②文法問題
③文脈型
④消去法で解く
の4タイプに分けて何問ずつ出題されたかを紹介されていました。

圧倒的に多いのが文脈型であり、そのためにも文脈がきちんと追うことができることの大切さを紹介されていました。



ちなみに私が聞き取れたダジャレは
①主語として選んだのはしゅごいのではなく
②冠詞に関心をもとうよ
③準動詞は準一と準子の準同士ではなく
の3点でした。


また同格のthatが取れる名詞はどんなものか、:と;の違い、など通常の講義の様子を見させていただきとても有意義な時間となりました。

触れる時間はありませんでしたが、正誤問題の出題分野も分析をされていて、その表も活用できそうです。

佐々木氏の指導の方法からは学ぶことも多かったです。

取り入れられそうなところは自分の講義にも取り入れていきたいと思いました。

長くなってきたので次回、慶應大学の分析を紹介したいと思います。

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by shun-sensei | 2017-06-03 17:58 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)