神田外語大の英語教育公開講座のレポートの続きです。


この講座では最近流行のアクティブラーニングについて理解を深めたいと思い受講しました。

アクティブラーニングは現在流行語のようになっていて、生徒が主体的に学習する方法を指し、多くの授業例では生徒同士がグループなどになって、教師から教わるのではなく、自分たちで学び合う学び方です。

ただ明確な定義があるのでもないようで、色々な誤解もされている部分があります。

英語という教科は実技教科なので、ある意味アクティブラーニングは難しい教科だと思います(定義によっては)。

同時に、定義によってはアクティブラーニングが当たり前ともなる教科だと思います。

そんな中でこの講座ではアクティブラーニングを紹介してくださるとのことだったので、自分の理解を深める良い機会だと楽しみに参加をしました。


結論としては、期待外れというか、想像以上に基本的な自分が普段行っている授業のもう少し消極的バージョンという感じでした。

やはりなかなか訳読からの脱却を超えて様々な実践を行っている先生は少ないのかもしれません。




それでは講座内容をレポートさせていただきます。

まずウォーミングアップとして英語で行うことができるゲームから開始しました。

答えがすでに書いてあって、その質問が何かを予想するゲームでした。

答えは1つに限定、単数複数もこだわって答え合わせを行うという工夫をしていました。

自己紹介をする時に活用したり、前のレッスンの復習に使える活動とのことです。




その後先生方に対して「あなたはいつアクティブになりますか?」という質問が投げかけられました。

ある先生は、このような研究会後に他の先生と色々と話し合って、とてもアクティブになった、知る喜びを感じた、とおっしゃっていました。

その他の受講生の意見としては、スポーツをする時、働くとき、授業、等を述べていました。まとめると何か楽しいこと、興味のあることをする時に人はアクティブになる

生徒に聞くと、好む活動は48%グループワーク、33%ペアワーク、19%個人ワークだそうです。(高校3年48名からアンケート)


続けてあなたの信念は? と問いかけられ、

・言語とは自己表現の手段である
・学ぶこととは知識や技能の習得である
・教えることとは知識の伝達である

という3つの例が提示され、納得しますか?と問いかけられました。




その後preziというプレゼンテーションソフトを使用し、講師の先生が考える英語の授業のイメージが提示されました。

preziで示されたマップを言葉で表現してみたいと思います。

全体の絵としては、太陽と雲があり、その雲から雨が降り、大きな木が真ん中にあります。

また木のふもとには水たまりがあるような絵です。




まず太陽にズームインすると、太陽の周りに4つの言葉が書かれています。

オールイングリッシュ、コミュニカティブな活動、競争、チャレンジングな題材・タスク(ちょうどいいレベルの題材)

これらが書かれた太陽が木を照らしています。


それに対する講師のコメントです。

言語はコミュニケーションのツールなので、英語が授業で溢れるべきである。

授業内くらいしか英語と接するチャンスがないから、教師も生徒も英語を使うべき

レベルの調整の大切さ。 難しすぎると諦めてしまい、簡単すぎては飽きてしまう。

生徒は競争が大好き、他より優れていたいという欲求を活かし、競争をさせる




さて、続けていくつかの雲が描かれています。

その雲が4種類あり、Reading, Writing, Listening, Speakingと4技能を表します。

その4技能の雲から雨が降ってきていて、一つ一つの雨にも言葉が書かれています。



雨は様々なトピックを表します(科学技術、医療、環境問題・・・など)

その雨により、生徒に木が生える



その木には生徒が身につける能力が書かれています。

その生徒が身につける能力とは4観点
コミュニケーションへの態度、情報を理解する力、情報を伝える力、活用する能力
です。


また水たまりが、スピーチ、ディスカッション、ディベート、社会的な活動を英語で行う(SNS、スカイプ、英字新聞を読む)、 など授業で行う活動例です。




このように講師の考える英語教育を一枚のマインドマップで表してありました。





さて、その後講師の先生の勤務校について紹介がありました。

併設型の中高一貫校で、中学から上がる生徒と高校から入学してくる生徒がいる。

中学から上がる生徒たちは先取りを行っていて、中学校時に高校の教科書の半分を終えてしまう。

しかし中学から在籍する一貫生と外部入学生で教科書もテストも異なるため、準備の大変さが大きな課題だった。

そこで分担しようということになり、これがかなり機能したそうです。

また生徒中心、アウトプット活動を普段の授業でもっとやろうということになりました。

これは教員間の授業スタイルの違いに対する生徒からの不満が多数出たためで、まずは各学年担当の英語科教員で集まり、統一をすることになったそうです。


その際課題としてあがったのが、生徒が予習をしてこないという問題。そこで予習前提の授業の限界を実感されたそうです。

ここで講師の先生が予習不要の授業と言うと、ざわめきみなさん驚かれていました。

また他に予習不要の授業を行っている先生はいますか?という問いかけに手をあげたのは自分だけでした。


このようなやる気のある先生方の集まりであっても、このような現実なのだなぁと改めて思いました。



授業モデルは「高校英語授業を変える!」という本を活用して作成されました。

1コマ目、ウォームアップ、オーラルイントロ、内容理解、英問英答→定着活動として音読
2コマ目、フレーズチェックシート、それのペアでの確認、定着活動として音読の、サマリー

と1パートに2時間をかけて活動中心の授業を行うことにしています。

フレーズチェックシートを使用して、教科書の英文全体を覚えるのは大変なので、フレーズならイケるのでは・・・と思いこのフレーズシートを活用して指導されています。

このフレーズを日本語から英語に言い換えられるかを練習します。

各パート、この2時間をワンセットを行い、最後にまとめとして、文法のまとめ、サマリー作成、リプロダクション、などを行うそうです。



予習なしで復習メインの授業を実施されています。

授業内では、訳読なしで、全体像を理解、各パートを手を変え品を変え読む(音読も含めて)工夫をされています。


復習は必ずその日のうちに実施させ、復習ノートで英文を定着させます。

読みながら書けば発音も定着する、何を書くかは生徒の自由、殴り書きでもいいので英語をとにかく書く、フレーズチェックシートがテストに出ると分かっているのでそこを繰り返し書く生徒もいる。

毎週月曜日にチェックするが、簡単に見る程度でとどめています。

1日1ページ、1ページやるのに30分くらい、8〜9割がやってくる、ノート点1割くらい
このサイクルを続けています。

このノートの名前はマイトレと言い、毎日トレーニングの略だが最後にはマイトレジャーになるそうです。

利点としては生徒が英語を書くことに抵抗がなくなったという点があげられます。



続けて授業組み立て時に気をつけていることとして以下の例を紹介されていました。

ポールネイションと言う方がおっしゃるには、
・意味に焦点を当てたインプット
・意味に焦点を当てたアウトプット
・言語そのものに焦点を当てた学習者
・流暢さ

この4つをきちんと行うことだそうです。


音読はアウトプットに入るそうです。

流暢さとアウトプットが脱げがちなので、この部分を意識されています。

流暢さとはオーラルリテリングなどのことを指しているそうです。

自然と自分の言葉で伝えることを目指しています。



続けてクラスルームイングリッシュの利点を述べられました。

・教員側が一生懸命伝えることで、何とか伝わるんだという見本になる(ジェスチャーとか言い変えたりとか)

・繰り返すうちにだんだん彼らも分かるようになってくる

・英語で考える習慣がつく、日本語に置き換えなくなる(コミュニケーションとはそんなに時間がかかるものではない)

・生きた表現を学べる

クラスルームイングリッシュとは生徒の発話も含めてクラスルームイングリッシュである
3枚のプリントを配ってそれだけは学ばせる(ロッカーに行っていいですか?分かりませんなど) 。


さて、このクラスルームイングリッシュを行うコツとして以下のことを紹介されました。

・年度始めから行う

・利点と理由を伝えて納得させる

・まずはALTとのTTから始める

・パターン化する

・継続する、耐える




個人的にはそういうトイレとかロッカー行くとかは日本語でもいいのではないか・・・と思いました。

そんなことよりもっと英語を使う場面があるのではないか?と個人的には思いましたが、割とこういうことを英語でやり取りすることを大切に思う先生がいらっしゃるようです。



またどんなレベルの生徒でも実践可能だそうです。講師の先生の前任校は今の学校よりもかなり生活指導メインの学校でしたが、生徒は納得していたそうです。

学習指導要領に書いてあるから、法律のようなものだから、と言ったら納得したそうです。



コードスイッチングについてもおっしゃっていました。

英語でやっていたのに、一度日本語に戻すと英語に戻りにくい。

どうしても日本語を使う活動が必要なら、授業の最後に持ってくる(最後の10分)などとアドバイスされていました。



自分は割とこの部分に関しては自然と行えているのでイマイチ実感できませんが、ジャパニーズイングリッシュの先生だと確かに気まずいのかもしれませんね。




学校ではコンペティションとコーポレーションの両方が大切。

みんな勝ちたい、でも協力も必要。

勝つことへの欲求(前半の活動例)。



教科書を用いた内容理解の活動の際の注意点。
・読んだことや聞き取ったことを簡単にビジュアル化する
・全員に役割を与える
・ちょっとしたゲーム性を持たせる
・学校では1人ではできないことにチャレンジする

一般的に研究授業というとまとめの活動が多いと思います。

しかし毎日やるのが内容理解なので、上記のようなことを大切に授業を組み立てると良い。

前時のレビュー
前のパートの内容を発問→答えたら座れるというゲーム(グループ戦、4ポイントで座れる、難しい質問は2点など強弱をつける)
内容は語彙のクイズ、本文の理解など、答えるのは1人一回、その後はメンバーに伝える
ポイントの少ないチームはこの後の活動で多く当たる



リスニング→リーディングで表を埋めていく(グループワーク)
オーラルイントロで未知語が登場すると、知ってる?と先生が英語で問いかけた後に、日本語で言い換えていました。

まずは( )の中を教科書を読む前に予想する
例:( ) supply of vegetable

その後はリスニングをさせて、合っていたかどうかを確認(その単語が出てくるセンテンスのみを)

単語レベルからどんどん文レベルへと広げていく。

今回はリーディングという課題において、ハンドアウトを埋めながら答え合わせ、そしてライティングの課題へと進む。

ハンドアウトは英文で質問があり、英文で答えが書いてあり、その一部の空所を補充するものと、シンプルな英問英答が一問ありました。

ライティングの課題は、サマリーライティングという教員が作成したサマリー例の空所補充を行います。


生徒は各クラス24人でこの日は後ろにたくさんの教員がいたので、その人たちにインタビューを行うというタスクを実施。

その板ビューで聞き取ったことをループメンバーに伝えることでタスクは終了しました。

周りの人に自分の意見を伝え、相手の意見を聞く




全体的な授業の印象としては書く課題の多さです。

ハンドアウトに従って進みますが、もっと生徒とのインタラクションを通じて生き生きした授業を目指したらどうかなと思いました。

また単語やフレーズなど知識への重点がやはり気になりました。

訳読せず、英語で英語の授業を行うのに、随分と単語やフレーズを重点的に扱います。






高校三年生の授業例

前のパラグラフを英語でまとめる、その後ジグソーリーディングで本文を読ませていました。

個人でリテリングの練習を行った後にペアでのそれぞれのリテリングを聴きあう。その後2人で1つのリテリングを行うという方法を行っていて、これは初めて目にしましたが、もしかしたら面白いかもなぁと思いました。




最後にアクティブラーニングについて

アクティブラーニングとは能動的学習

アクティブラーニングとは態度の問題

アクティブ型とか、アクティブラーニングをやっているは変、アクティブラーニングを取り入れるも変

アクティブじゃない時があるの?と思ってしまう

グループ学習や体験学習でもない

自分がやることがアクティブラーニングである

台湾に海外研修に行かせた時にとても生徒がアクティブになった

海外研修で相手に自分の意見や気持ちが伝えきれなかったことで英語への動機が高まった



アクティブラーニングとは
・自分の頭を使って考える
・もっと知りたくなる
・そのために新しいことにチャレンジしたくなる
・そして生涯にわたって英語を学び生かしていきたくなる

これこそがアクティブラーニングなのでは?





全体を通じて思ったことを最後に書きたいと思います。

日本語を用いないで、和訳をしないで英語で英語の授業を実施していて素晴らしいと思いました。

しかしどの活動例も目新しいものはなく、自分からすると基礎的なよくある活動でした。

それどころかリテリングなどは単語やフレーズが多すぎて、あれでは教科書本文に縛られ過ぎるような実感をもちました。

また教員と生徒のインタラクションは少なく、ワークシートが非常に多く、同様に生徒の活動は非常に縛られるなと思いました。

そして教員の英語の運用力の問題もあるのかもしれませんが、もっともっとインプットを増やしてあげてもいいかなとも思いました。

クラスルームイングリッシュに関しても、結構時間を割いて説明されていましたが、Can I go to the locker?やMay I ask you a question?などをクラスルームイングリッシュと言うんだと正直少し驚きました。

自分の場合は、それ以外に生徒が授業中に英語を発話する機会が豊富にあるので、トイレに行っていいですか?などの質問は別に日本語で構わず行っているかもしれません。

そこら辺の受け取り方が若干講師の先生とは異なるなぁと思いました。

全体を通じて、活動の意義というのを一つ一つ検証し直すことがあっても良いかも、とも思いました。


英語で活動中心で、というところまで変革したことは素晴らしいですが、英語で授業を行うことが目的ではないはずです。

この段階まで進んだのであれば、もう一度一つ一つの活動の意義を考え、そのつながりを考え、そして改めて英語力をつけるとはどのようなことか、という原点に戻るとさらに良くなるのではないかと思いました。

そうすると、ノートに殴り書きでいいから、という宿題方法ももう少し修正されるだろうし、ハンドアウトの出題の仕方、内容理解の部分がもう少しレベルが上がる気がする気がします。



ということで、こちらが期待したような効果は得られませんでしたが、改めて一つの授業スタイルと受講生の先生方の驚く様子を見て、まだまだ英語の授業改革は始まったばかりなのだなぁと実感しました。
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by shun-sensei | 2016-09-17 16:04 | 英語教育 | Trackback | Comments(0)

前回に引き続きTEAPを実施している英検協会主催の『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』に参加したリポートをしたいと思います。

第一部はTEAPの概要説明とTEAP指導用手引きの解説
第二部は指導用手引きを使ったスキルアップ講座

という二部構成でした。

本日はこの会のメインであるTEAP指導用手引きの解説とそのスキルアップ講座の内容の続きを、TEAPを受験しようと考えている学生にとっても試験対策として必要な情報を混ぜながら、リポートしたいと思います。

さて、前回TASK Aに関連した様々な情報をお伝えしました。

その内容はTASK Bにももちろん引き継がれます。

TASK Bだけが苦手でと読んでくださっている人も必ず前半部分もお読みください。
それだけでかなりの減点が防げ点数は大幅にアップします。


さて、TASK Bは、図やグラフが2つと、それに関連したリポートや意見が2つ載っています。

受験生に求められるのは指示文に書かれた指示をきちんと読み、その指示に合わせて与えられた資料と英文を読み書くことです。

例えば公式見本問題では、ここ数年の学校内で起きている問題のある態度の件数の折れ線グラフ、その問題のある態度の具体的内容の内訳の円グラフ、校長先生の改善に向けた意見をまとめたニュース記事と、編集者あてに元中学校教員から送られた先生たちへのアドバイスの手紙の4点の情報があります。

その上で、問いは、現在の学校の状況を報告し、与えられた解決策の要点を要約し、結論としてどの解決策が最も機能しそうかを与えられて理由をもとに200語程度で書きなさい、というものです。

よって、求められているのはあなたの個人的な経験や体験に基づく結論ではなく、あくまで与えられた解決の理由をもとに書きなさい、という点に注意が必要です。

「私の学校でも~」や「私も以前~」など自分の経験はいらないという点に注意です。

さて、多いミスはほとんどがTASK Aと同じものです。

それらはどれも減点対象になると思われるので、きちんと基本事項を確認してください。

その上でこのTASK Bにおいて特に大切なのが、やはり指示文をきちんと読むことだと思います。

与えられた条件を守らない、書くように指示されていることを書いていないのでは減点どころか点数はもらえないと思われるため、必ず指示文を精読する必要があります。

また、図やグラフに触れていない答案も多いそうです。

図やグラフの読み取りに必要な表現などはいくつかパターンがありますので、定型表現として覚えておく必要があるでしょう。

また、TASK Aと異なり、TASK Bでは複数のパラグラフを書く必要があります。

TASK Aでは本文を読み取るのに使用した知識を今度は書くのに活用する必要があります。

まずIntroductionを書きますが、これが一番難しいところでしょう。

Introductionの最後の文は前回も書いたように、自分の書くエッセイ全体が何についてか、というthesisが必要になります。

その上でBodyの部分で、それぞれの状況を紹介した上で最後のConclusionを書きます。

3~4パラグラフ位をトピックセンテンスとサポートセンテンスを意識しながら、パラフレーズしながらまとめていく必要があります。

単なる文法のミスを減らすというレベルを超えて、このようにパラグラフのつながりを意識した英文を書くのがエッセイライティングです。

何回も書いて、それを誰かに読んでもらってと言う作業を繰り返さないと、おそらく本番では頓珍漢な答案を書くことになってしまうでしょう。

そして、必ず書き始める前にパラグラフの構成をしっかりとさせ、それぞれの大体の語数も調整する必要があります。


そしてこれはTASK Aとも共通のことですが、書き終わったらもう一度読み直し、細かい文法や綴りのミスを修正する必要があります。

高校生に多いのが、時制が行ったり来たりするケースです。

本文や指示文にもよりますが、現在か過去どちらでも可能なケースが多いので、どちらでもいいので統一して書くこともとても大切です。

また、主語と動詞の形が一致しているか、文にきちんと主語があるか、など、自分の英文のミスの特徴をつかんでおくことも大切かと思います。


さて後半のスキルアップ講座では、TASK Aと同様にどのように生徒たちに指導するかの実演をされました。

指示文に求められていることを確認する作業、どのような表やグラフの種類があるかの確認などをTASK Aの時と同様の方法で行いました。

特にincreaseやdecreaseという単語やmore and more 主語~という書き方など定型表現はここで練習してもいいかもしれませんね。

さて、その上で実際の答案作成を我々教員も行いました。

4~5人1グループで大きな模造紙に各グループで1つ答案を作成しました。

現役の英語教師をもってしても苦戦している方が大勢いました。

でも、あのようにグループで作らせることで、あぁじゃない、こうじゃないと色々考えることができ、また英語が苦手な子も参加できて授業としては面白い方法だなと思いました。



なお、このTASK Bに対して大体50分を割り当てるのが標準的な時間配分だそうです。

また2つの英文には似たsolutionが述べられていることは通常よくあるそうです。

逆に言えばこれから生徒たち向けに練習問題を作る際には、2つの英文に同じようなsolutionはあえて載せたり、2つの英文の関連性も強く書くようにすることが大切となるでしょう。

最後に資料には生徒の答案の添削のためのアドバイスも載っていました。



さて、以上3回に渡り紹介してきた『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』、とても有意義な会でした。

TEAPのみならずエッセイライティングのテストで高得点を取るためにはどのような答案が必要か、そしてそれに向けてどのような指導を行うといいかのヒントを色々と発見することができました。

また、豊富な資料により、きちんと理解を行うことができ、大満足の研究会でした。

この研究会で配布された資料のうち、公式見本問題と指導者用手引きはTEAPの公式HPからダウンロードすることができます。

また評価規準などもライティングとスピーキングはCEFRを元に紹介されているので、こちらも必ず目を通すようにするといいと思います。

なお指導者用手引きはあくまで指導者用のため、利用者登録が必要になります。

公式HPの問題構成の中のライティングの見本問題などのところに案内のページへの外部ページへのリンクがあります。

とても丁寧に作られており、指導のヒントが満載ですので是非指導者の方はダウンロードをして読み込むことをお勧めします。

今回のこのリポートもこの指導者手引きを使用した研究会のリポートのため、いくつも追加で伝えたい内容がありましたが、著作権のことが気になりあくまで研究会で聞いたことを中心にリポートしています。

実際の手引きには実際の生徒の答案などが載っていてより分かりやすいと思いますので是非ダウンロードをして欲しいと思います。



さて、多くの学校では英作文の指導と言うと和文英訳どまりのところが多いようです。

自由英作文も型を教えるだけで、きちんとエッセイライティングまで踏み込んでいるところは少ないそうです。

実際に大学で英語で学ぶ際絶対に必要になることなのにそれを高校で指導していないのでは生徒に対しても大学に対しても失礼だと思います。

知識伝達型の講義を行っていては時間がいくらあっても足りないことでしょう。

授業では授業でしかできないことを中心に扱い、知識の習得などはその方法をきちんと授業内で指導すればどんどん生徒は主体的に知識を獲得していってくれると思います。

生徒が本当の英語力をつけるための授業、授業だからこそできる活動を中心に据えた授業がもっともっと日本で広まることを願っています。

そして自分自身はそれを現任校で実践し、それを様々な機会で発表して少しでも今回の教えてもらったような授業を広められたらと思います。

4技能を身につけながら現在の大学受験にも対応できる生徒を育てる授業。

まだまだ始まったばかりです。これからも頑張ります!!
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by shun-sensei | 2016-09-10 13:24 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)

前回に引き続きTEAPを実施している英検協会主催の『指導者向けーアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座』に参加したリポートをしたいと思います。

第一部はTEAPの概要説明とTEAP指導用手引きの解説
第二部は指導用手引きを使ったスキルアップ講座

という二部構成でした。

本日はこの会のメインであるTEAP指導用手引きの解説とそのスキルアップ講座の内容を、TEAPを受験しようと考えている学生にとっても試験対策として必要な情報を混ぜながら、リポートしたいと思います。


まず初めにライティングには2種類あることが紹介されました。

一つがIndependent essayでもう一つがIntegrated Essayです。

日本語で言いかえると、前者が自分の意見を述べるタイプのエッセイ、後者が書かれている内容の要約型のエッセイです。

もう少し具体的に言うと、前者は自分の記憶や経験に基づきエッセイを書き、それらの例をもとに自分の意見を論評することが目的になります。

それに対して後者は、与えられた資料に書かれている事実、考えをまとめてエッセイを書き、情報源によって読んだり聞いたりする能力が求められるそうです。


おそらく多くの学生が高校の授業で扱ってきたのは前者の意見を述べるタイプのライティングなのかなぁと思います。

また、大学入試でもこのタイプを求める問題はかなり多いように思われます。


しかしTEAPで主に問うているのはこの後者のエッセイで、求められる力もKnowledge transferring、つまり書いてある内容をいかに自分の言葉でまとめ直せるか、だそうです。


発表者の方はしきりに、このテストは大学に入学後に実際英語で書かなければいけないことの大半がこの後者のタイプのエッセイということを述べられていました。

そして、その時に勝手にコピペして提出するとどうなってしまうのかを紹介されていました。

よって、受験生や指導者の方が絶対にしてはいけないのは、与えられた資料の英文をそのまま引用して自分のエッセイに書くことです。

引用するためには引用するためのルールがありますが、それではこのテストは引用だらけになってしまうため、自分が知った情報を自分の言葉で言い換えていく(パラフレーズする)必要があります。

発表者からはしきりにパラフレーズする練習を積み重ねてくださいとのアドバイスが与えられていました。

そんなパラフレーズするほどの語彙力がないのだが、という質問に対しては、それを指導するのがあなたたちの仕事、とかなり当たり前だが教員たちが言い訳をしている現実をズバッと指摘していました。

本校の授業では基本的に教科書本文の内容理解は、教師と生徒によるインタラクティブな英問英答の中で教師がさりげなく行うパラフレーズの連発により行われます。

またそのレッスンの復習として行うリテリングも、基本的には教科書に書かれた内容を自分の言葉でまとめ直すことが中心となってきます(初心者のうちは丸暗記がほとんどですが)。

よってこのようなアカデミックエッセイに対しても、普段の授業を積み重ねることで十分な対策になるなと再確認できました。



さてより具体的な問題の中身を確認しましょう。

大きく分けて2つの出題方式があり、一つ目が4~5パラグラフの英文を1パラグラフ70語で要約するタイプです。

この英文は大体英検の準2級の長文問題くらいのレベルだそうなので、公式見本問題や旺文社から出ている公式問題集などを解き終わったら、どんどん準2級の問題で練習を行うといいと思います。

自分も現在の高校1年生の後半の授業ではこのような授業を計画しています。

読んでから要約を行った後に、4人グループでそれぞれの書いた要約文に対してグループで指導し合い、最後に教師から簡単な正解の紹介する授業を複数回行います。

全員分を添削していると、教師側も続かないことと、友人の要約文を読み評価するという経験を通じ、それぞれの生徒は大きく成長します。

やはり、教師による一方的な講義だけではなかなか気が付けないこともあるので、このような授業を先生方もされるといいと思います。


さて、いくつかの学生によるサンプル回答を見ながらありがちなミスというか減点要因が紹介されました。

1自分の意見が述べられてしまっている。あなたの意見なんて誰も聞いていない。
2一文一文改行をしているため、1パラグラフで、という指示に従っていない。
3don’tやcan’tのように短縮形を使用している。アカデミックライティングではきちんと一語一語スペルアウトするのが決まりのようなものである。
4丸写しの文などがある。
5具体例などの個別の情報が中心で要約になっていない。
6本文と全く文構造が同じで単語だけ言い換えてあるのもあまりよろしくない。

以上のサンプルは、実際に何名かの高校生に問題を解いてもらった結果だそうですが、その時その高校生たちの目の動きも特殊な機械で分析したそうです。

その結果やはり、本文と解答用紙を行ったり来たりする、というコピーのような様子が見られたようです。

発表者の方からは、問題文と解答用紙を表裏にすることで、自分が読んで理解したことを自分の言葉で言い換えるいい訓練になるとおっしゃっていました。

確かに、写せる位置に英文があるから、ついつい何回も見て本文に引っ張られてしまうのかもしれないなと思いました。

初めのうちは、読む時間→構成を考える時間→書く時間とこちらで指示をし、原則本文には戻らず要約する練習をすることが大切かなと思いました。

また、同時に英文のパラグラフ構造やパラグラフ内のトピックセンテンスとサポートセンテンスなどの読み方の練習もとても大切だということが第二部のスキルアップ講座では紹介されていました。


第二部のスキルアップ講座では、TEAPを受験する生徒たちに向けてどのような授業を行うかの授業案が紹介されました。

我々教員が生徒役になり、発表者が教員役として授業案を実演してくださいました。

例えば、本文を読むときも一人で黙々と読むのではなく、グループで一人ずつ順番に音読して読ませたり、その後の課題もまずは空欄をブランクと言わせて読ませて、ちょっと考える時間があった後に、答えを入れながらみんなで読んでいくなどの方法が紹介されていました。

また、指示文をきちんと読んでいない生徒があまりにも多いことから、指示文の内容まで一番初めには必ず確認するようにと紹介されていました。

確かに指示文を読んでいないから、自分の意見を書いてしまうんでしょうね。


その後パラグラフの構造とトピックセンテンスについて確認した後に、実際にそのパラグラフとトピックセンテンスを指摘し合う活動や、パラフレーズの仕方を紹介した後に実際にパラフレーズする活動を実演されていました。

特にエッセイにおいてはIntroductionがまず初めにあり、その後Bodyが数パラグラフあった上で、最後にConclusionが来ます。

Introductionのメインとなる部分は1パラの最後の文であることが多く、読み手にこのエッセイが何について書かれているものかを提示するように一般的にはなっています。

またBodyは多くの場合一文目にそのパラグラフで言いたいことが書かれることが多いですが、それはそれぞれの英文で異なるので決めつけることはできません。

よって、受験生が書く1パラ70語の解答にも、必ずこのイントロのメイン、Bodyの内容、そしてconclusionの内容を含めなければいけません。

そしてさらに点数を上げるために、coherence首尾一貫性とcohesion文と文のつながりについて、2つの短めの英文のどちらがよりcoherentな英文か、よりcohesiveな英文かを指摘し合うアクティビティを紹介されました。

どれもアクティブな生徒が参加する活動を通じて、TEAPのライティングで高得点を取るために必要な要素を理解させられる素晴らしい授業例でした。

数回に分けて、初めにこのような授業を行った後に、どんどん練習を積ませながら生徒同士で添削し合うことできっと大幅な点数アップが望めるなと思いました。



最後に、このTaskAには大体20分くらいの時間をかけて解く、という発表者からの言葉がありました。

受験生は時間配分の参考になるかと思います。

さて、長くなってしまったので、TASK Aに関連したリポートでいったん終わりにしたいと思います。

次回はよりハードルの高いTASK Bに関連したリポートをします。
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by shun-sensei | 2016-09-03 13:22 | TEAP, GTECなど4技能外部試験 | Trackback | Comments(0)