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英語自分流の指導方法(長いです)

長きに渡って悩んできた、英語の授業はどうあるべきか?という問題

それに対して、現段階での自分なりの結論が出たのでメモしておきます




結論から先に書くと、英語の授業でとにかく大切なのは、英語学習に対するモチベーションアップ

生徒がコツコツ学習したくなるように授業内では指導する

これに尽きると思います




本校では週に6時間、英語の授業が設定されている

英語Ⅰや英語Ⅱ、リーディングなどの本文解説中心の授業と、OCやWritingなどの文法中心の授業で半分づつの時間が充てられる

ちなみにOCってのはOral Communication のことなのだが、ほとんどの進学校では無視して文法の時間として使用している

直訳すると「口頭でのコミュニケーション」という科目で文法を教えて、生徒はよく混乱しないものだ




話を戻すと一クラス週3~4時間与えられるリーディングの授業

これがまた、月水金など、語学学習にバランスいいような設定ではなく、現実には水曜に2時間と木曜とかに設定されていたりする

そんな授業時間の中だけで生徒の英語力をつけるのは結構難しい

授業内で音声を聞かせたり、音読を一人づつさせたりしたって、週に2日間、5分づつくらいでは効果は薄いだろう

しかもこれらの活動を、みんなで授業内でやることは、やる側の生徒側からすると結構しんどいこと






解決策はやはり家庭学習

家庭学習が習慣づけば、毎日コツコツとやってくれるのだからこんな理想的なことはない






ところで最近の自分

中間や期末などのテストに向けて本文の解説に追われていた授業

年初には、楽しくてやる気が起きるような授業をするぞぉ!と思っていた

しかし中間試験前に進度調整に追われてからそのことを忘れてしまっていた

期末試験に向けて範囲を終わらせること

そのことだけで精一杯

どんな授業が理想か

そんなこと悩んでももう現実的に無理だよ

現場ではそんなこと言ってられない

そんな風に思い始めていた(くさり始めていた)

話術、テンポ、雑談、試験

これらに頼って、一応生徒は全員授業を聞いてくれていた

でもこんな授業でいいのかな・・・と思う自分もいた





一般的に英語の教え方には2タイプの先生がいる(もちろんそれ以外の方々も大勢いらっしゃる)

一つのタイプは文章の訳を中心に行う先生

音声はテープを使って、解説は主に口頭で伝えることによって時間短縮をした授業をする

解説が口頭中心なので、眠くなりやすく、ちょっと分かりにくい

しかも予習を前提とするため、脱落していく生徒が非常に多い

自分もこのタイプの授業を見学させてもらった時に、寝てしまいそうになってしまった記憶がある

現実では生徒は授業中に本文をノートに写して、先生が口頭で言う訳をひたすら書き取る作業を行う

テスト前はその日本語訳をひたすら暗記して臨むという経験をされた方も多いのではないだろうか

そんな英語学習から遠く離れた、日本語訳聞き取りと暗記の学習という状態が起きています






もう一つのタイプは音声中心の授業を行う先生

英語で指示などをたくさん出して一人づつ順番で音読させたりする

訳にはあまりこだわらず、本文については予習が大前提

音声に時間を割くので、本文については生徒がやる比重が高くなる

英語は英語で理解させたり、授業内でクラス全員に一度は英語で何かを言わせる、というスタンスでやられている

ただ残念ながら私が見た例では、教員の準備不足で理想ばかり追ってしまっている

しかもその先生の発音がメチャメチャひどく、教員でさえも何を言ってるのか分からなかった

週に2日、当てられてチョロっと本文を音読しても、それだけで英語の力がつくワケがない


ある日、生徒に「英語の授業はどう??」と廊下で聞いた

「怖いです。
当てられて答えられないと怒られるし、先生いつもプリプリしている。
先生は英語が楽しいのかもしれないけど、ウチラにそれを押し付けないで欲しい。」

実際、その方の教えているクラスに外国人講師と共に英会話の授業を行う機会があった

明らかに自分が教えているクラスでは見たことがない雰囲気

やる気のある子は大きな声で積極的な姿勢で参加する

ただ逆に苦痛でうぜぇ、だりぃっ、て完全に英語大嫌いになっている子が半分くらいなのだ



音声重視の指導法の場合、とにかく教員の力量が問われるのだろう

英語で(聞き取りにくい)教員が話していると、生徒はだんだん教員の言葉を聞くことさえしなくなる

教科書本文をひたすら聞かせたり音読させたりする授業の退屈さは経験したことがあるものなら分かるだろう

そんなのは音声中心の、コミュニケーション中心の授業ではまったくない



入試にも対応できる力をつけながらも、音声を中心に生徒が使えるような英語力を身につけさせる

授業でやった音声中心の練習を家でも続けて行えるような工夫を教員側が用意する

そのためには毎日遅くまでかかっても終わらないくらい、教材準備の時間が必要となるのだろう

授業内に向けて、楽しいから、先生が好きだから、授業が好きだから、自然と毎日自宅で練習や学習をしたくなるようにしたい

怒られるのが怖くて、嫌々必死で本文の予習をしている生徒が一年後どうなるか

授業内でひたすらつまらない音声活動をさせられて生徒はどうなるか

否定ということではなく反省として目の前の現実を直視したい





さて

期末試験に向けた本文解説の進度調整、そしてどのような授業を行うのが理想なのか

この2つが自分の中での今までの課題であった





今回、たまたま教育実習生に担当してもらった範囲についての補足授業解説プリントを作成した

文章の構造、単語や表現の注意や訳、新しい単語や文法についての簡単な解説と例文が載っていたり、難しい文章については訳をつけたり

作るのにめちゃめちゃ時間がかかったけど、これだったら普段から授業の補助プリントとして認められるかもしれない

時間短縮のために補助プリントが使えれば、授業内でも音声を使って楽しい授業ができるかもしれない

時間があれば、入試問題から題材を引っ張ってきてモチベーションを上げさせたり、大学の学部についての話を少しづつして目標を持たせられるかもしれない

様々な可能性を感じてワクワクしていく自分がいる




目標があるから毎日コツコツとやろうと思える

そのコツコツをちゃんと評価してもらえたらまた頑張ろうと思える

授業が苦痛でなければ家でも頑張ろうと思える



分からないことが少ない学習

分かってできることが多い学習

生徒にとって達成感も感じられ、やる気も出る一番のコツはこの2つかもしれない



よく生徒がやらされている、これから授業で扱う本文の予習

読み方、単語の意味、本文の内容、

分からないことだらけの学習は昔、苦痛だったことを思い出しませんか




分かりそうなところだけ予習

それ以上の難しいところは授業内でみんなでチャレンジする

分かるようになってから、定着のために繰り返させる

教員側の準備はかなり前倒しでやらねばならず、大変だが、必要なことだと思う




自分の授業の目標

生徒が毎日コツコツと家庭学習を行うようになること

自然とそうなるような授業をひたすら目指す



そのための準備であれば、時間のかけ甲斐もある




補助プリントが他の先生にも認められますように・・・



でも補助プリントを作って、さらに音声中心のための準備をして、学部や入試の研究もして

そんな自分からわざわざ忙しくする必要あるのかなぁ・・・

他の先生がやられている通りに自分もやればいいだけな気もしないでもない・・・



とりあえずやってみてから考えようっと
by shun-sensei | 2010-06-05 09:42 | 英語教育