2013年 11月 03日
新人教師必読の英語教育本「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という文言がメディアを賑わせた指導要領です。
実際、多くの学校ではどうかというと、今まで通りの訳す活動が中心の授業が行われているでしょう。
少なくとも本校ではそうです。
さて、1年目はその学習指導要領にずいぶん悩まされ、苦しめられたshunsenseiですが。
現在は様々な授業を見させていただき、次々と発売される本や雑誌を通じて、かなり授業とはこうあるべきという形が見え始めてきました。
そんな中以下の本を読みました。
「高校英語教育を整理する」
この本は何が正解なのか?などの意見は一切書かれていません。
書かれているのは現場でよくあるすれ違いの例です。
それなので、読み終わると、もっと勉強をしたい!!議論をしたい!!という気持ちになる本です。
実際読んでいると、自分自身の今まで感じていたモヤモヤをつかれているような気持に何度もなりました。
これから英語教師になる人、そして現場の教員にはかなりのおススメの一冊です。
例えばgap7の理論と実践のセクションでは、理論と実践いう言葉に対する各教員の認識の違いを具体的な会話を取り上げたうえで分析しています。
私自身、大学の先生方が書いた英語教育本を読むときに感じる違和感が正に表現されていて、少し反省もしました。
ついつい授業ですぐに活用できるか?という視点で読んでしまいがちですが、その根本的な理論を理解し、応用して活用しようとすることが大切だなと思わされました。
また、大学の先生が書いたからと言って、すぐに「現場を分かっていないなぁ」と考えがちな自分自身を再発見し、今後はもう少しフラットな視点で読もうと思いました。
また、一番自分の中のモヤモヤがすっきりしたのがgap9のコミュニケーションとgap12の音読の役割でした。
様々な授業実践を見学させていただいたり、あるいは研究会などに参加していた時に感じていた疑問。
「コミュニケーション活動を行う」という目標なのに、教科書の音読ばかりでいいのか?
また、教科書の役割についても、訳すことに反対している方々は、ひたすら繰り返し音読して暗誦することを目標としていて、果たしてそれで英語力がつくのか?
この疑問の根底にあるものに初めて気がつくことができました。
私自身はコミュニケーション活動については、あくまで自分の意見や考えを自分の言葉で発することと認識していました。
しかし本書の中で紹介されているように、自分の言葉でなくても英語で表現する活動すべてをコミュニケーション活動と考える先生方もいるようです。
またアウトプットについても、私はあくまで自分でそれぞれの表現を活用しながら自分の言葉で発することと認識していました。
よって音読はアウトプット活動ではなく、あくまでインプットするためのリーディングの活動と考えていました。
しかしこれまた本書では全く異なった先生が紹介され、音読もアウトプット活動であり、スピーキング活動の一種と考える方もいるようです。
この2つの用語に対する認識の違いは自分自身の中ではまったく意識したことがなかったことで、読みながら何度も衝撃を受けていました。
同時に、様々な研究会での自分が感じていたモヤモヤが一気にスッキリするとともに、すぐに今まで読んだ本を読み返してしまいました。
またそれ以外にも、現場の教員(私だけでしょうか?)が感じている英語科でやっていく難しさの典型的な先生が登場したりして、全国の先生が同じ気持ちで頑張っているんだなぁと変なところで感心してしまったり。
自分が次の担任の時に考えていたプランの「量」に関する認識の違い(gap13)や「やさしい教科書を使うこと」について(gap16)など、非常に参考になる意見を読むことができました。
特にこれから英語教員になるという先生には非常におすすめの一冊です!!