ブラックな学校現場を考える2~部活動編~

学校の労働環境が見直されようとしています。

非常に喜ばしいことではありますが、同時に教員定数の削減など理解のできない意見もあるようです。

本日は部活動指導に焦点を当てて自分の考えを紹介したいと思います。



部活動指導が校務なのかなどについては他で色々と議論が行われているため、そちらに譲りたいと思います。

私は自分の体験を通じて考えたこと、思ったことに限定してここではお伝えしたいと思います。

あくまで空想上の人間からの意見ですので、参考までにそんな考えの人もいるんだぁくらいに受け止めてもらえると嬉しいです。



さて、部活動ですが、放課後の時間帯に2~3時間、そして土日などの休業日に半日から1日行うことが多いです。

週に1度は休養日を設定し、朝練や昼連を行う部活動は通常の公立高校では一部である印象です。

どの学校にもその競技が専門であり、自身もその競技の体験がある先生が一定数います。

しかし同時に専門性も全くなく、教員になって初めてその競技と関わった教員が顧問を引き受けるケースが半数以上あります。

私自身も卓球部とサッカー部、そしてバレーボール部の顧問を行ってきましたが、卓球は小学生の時に児童館でたまにやっていたレベル、サッカーは幼少期に地域のサッカーチームでちょっとかじった程度、バレーボールに至っては幼少期に母の数回ママさんバレーの付き添ったことと、学生時代に仲良くしていた子が社会人チームでバレーをやっていたのでその練習や試合にたまに付き添う程度の経験で顧問を引き受けてきました。

唯一きちんと指導に関わったのはサッカー部でしたが、それでも自分の経験の無さと生徒のレベルの高さからどんどん精神面などのサポートにシフトしていきました。

その具体的体験については過去の記事をお読みください。

このように専門性もなく、経験さえない教員が顧問として、まるで監督のような仕事をさせられる現実がどこの学校でも起こっています。

多くの先生方は必死にその競技を勉強され、自身でもその競技を始め、多くの時間をかけてその競技について詳しくなろうと努力しています。

私は途中で諦め、生徒中心の活動に切り替えましたが、多くの先生はそのように努力されて少しずつ指導者としての質を高めていっています。

同時に、その競技の経験があり、指導を行いたいと思っている人材は地域に大勢いらっしゃいます。

経験もなく知識もない教員が一生懸命プライベートの時間に学び経験している一方で、経験も知識も十分で意欲もある人材が指導に関われない状況が非常に非効率だと思います。

もちろん部活動を通じた教育の側面も多くあるため、すべてを外部の経験された人材にお任せする必要はありません。

技術の指導などをそのような方々にお願いする一方で、人間関係など教育的な側面を教員が指導者と連携して行うようにすることで、より良い指導環境が整うのではないかと思います。




時間的な側面もとても厳しいのが部活動です。

例えば8:30から授業が始まる学校の場合、15時頃に授業が終わります。

勤務時間は17時までに設定されることが多いため、勤務時間内に業務を終わらせることを重視すると、部活動の活動時間は16時50分頃までになってしまいます。

15時に授業が終了し、HRや掃除などを行うと生徒が解放される時間は早くて15時半頃です。

それから着替えを行い、環境を整備し活動を開始、アップなどを行ってから練習を行うと実質的な練習時間は1時間を切ってしまいます。

そのため多くの学校では延長活動等を行い、教員は当然その時間帯は無給で残業を行わざるを得ません。

また、教員は授業以外の時間がかなり限られております。

ほぼ毎日部活動の指導を行っている教員は放課後の時間のほとんどが部活動にあてられてしまいます。

授業準備、学級運営、校務分掌の業務などを行うとなると必然的に部活動後にその業務にあたることになります。

19時ころ部活動から解放され、それからこれらの業務を行うとなると、退勤時間が21時や22時になってしまうことも納得いただけると思います。

高校教員の多くは週に18時間程度授業を行います。

担任などのを行っていると総合的な学習の時間、ロングホームルームなどで週に3時間追加され21時間です。

校務分掌の会議、学年の会議を授業時間内に設定されるとそれでプラス2時間、合計23時間になります。

1週間に5日×6時間で30時間あると計算すると、空き時間は30-23で7時間になってしまいます。

この7時間だけで授業準備から学級経営、分掌の仕事を終わらせるのは不可能なレベルであり、結果的に部活動後の時間がどんどん伸びていってしまいます。

ましてや部活動の指導を一生懸命行うとなると、練習メニューを作成したり生徒の練習ノートにコメントをしたり、選手登録や大会申し込み、物品購入など指導以外の仕事も発生します。

週に40時間の勤務時間のはずが、毎日の部活動関連の時間が3時間×4=12時間+土日の練習や練習試合10時間で22時間程度部活動に時間を割くことになります。

このような状況で質の高い授業準備など行えるはずがないことは想像していただけると思います。

特に若手の教員ほど部活動は一生懸命頑張ります。

授業やその他の仕事も覚えなければいけないことがいっぱいのなか、部活動も頑張り、プライベートなど皆無な先生はたくさん見てきました。



できないのなら、減らせば良いという考え方もあるでしょう。

私は基本的にはそのやり方で、自分が顧問を引き受ける条件として自分の指導方法や指導時間を提示します。

それに納得でできないのであれば、他の先生に顧問をお願いしなさい、といったんどん底に生徒を落とします。

その上で、部活動をやらせてもらっている、そのために教員が協力しているのだという意識を持たせます。

幸いこれまで大きな衝突もなく自分自身は運営してこれましたが、他の先生で同様に練習時間等を制限したところ、保護者どころか地元の権力者が学校に圧力をかけてきたこともありました。

管理職はすぐにその先生を指導し、結果的にその先生は大量の残業と休日出勤を事実上しなければいけなくなっていました。

とても理不尽な対応であり、到底納得できない事態でしたが、数年前の出来事であり、まだ教員の勤務条件について議論がされていなかったため、受け入れざるを得なかったようです。

保護者レベルでのクレームは日常茶飯事であり、生徒の成長のための部活動から視点がずれ、勝利をただ追い求めている保護者や生徒、そして教員もとても多い気がします。




顧問に関しては、それぞれの教員の事情に配慮をした割り振りを行います。

小さなお子様がいる女性の先生は活動が限定的な文化部に割り当てられるか、ガンガンやられる専門の先生がいる部活動の副顧問など、事実上顧問をしていない状態にします。

しかし、この女性の先生方は、お子様が大きくなられ、極端な話自立して家から出た後も顧問に復帰されないケースが非常に多いです。

小さな子供がいようと男性教員にはそのような配慮はされません。

若手の男女教員などはまったく配慮の気配さえありません。

このような仕事の偏りが、その他の分掌の仕事などでも同様に起こり、仕事の圧倒的偏りが発生するのが学校現場の特徴です。




ブラックな職場を変えるためには、仕事の均等化と、絶対量の減少が不可欠です。

部活動はそのような意味では絶対量を減らす大きなチャンスです。

外部指導員などに責任を持たせ、希望者以外の教員の業務から外すことで相当な業務量軽減になります。

大量退職、大量の団塊の世代の方々の再雇用にも良いと思います。

ハードルは本当に多いと思いますが、部活動を教員から外せると、教育の質は間違いなくアップすると個人的には思います。

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by shun-sensei | 2017-12-23 09:02 | 学校はブラックな職場か | Trackback | Comments(0)